Dangerous boy
その時だった。

「ああ、あいつ来たかな。」

オーナーが、店の外を覗いた。


だがオーナーも私も、聞こえてきた声に、体が固まる。

「きゃははは。やっぱり尚太、面白ーい!」

「音緒さんだって、そうだよ。」

そして、扉が開いた瞬間、その音緒さんと言う女性は、尚太君の腕に絡みついていた。

「おい、尚太!心ちゃんが来てるぞ。」

オーナーが、気を利かせて、私の事を伝えてくれた。

「えっ?心が?」

急に驚いて、こっちを見る尚太君。

何かに気づいた音緒さんと言う女性は、尚太君の腕から手を放した。


随分年上の人。

こんな人と、尚太君が腕を組んでいるなんて。


「なんで?今日、約束してた?」

その一言が、”連絡無しに来るなよ。ウザイ女。”と言われているみたいで、体が小さく縮こまった。

「……今日は友達の事で、聞きたい事があるの。」

「友達?」

誰の事かは、尚太君は分かっていないようだった。
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