Dangerous boy
それが私には、腹立たしかった。

「高杉環奈って、知ってるわよね。」

「環奈?知ってるよ。」

「どう言う関係?」

「どう言うって……客の一人だけど?」

私はカウンターのテーブルを、思いっきり叩いた。


「環奈は私に、尚太君と付き合ってるって、言ってたけど?」

「誤解だって。」

「じゃあ、環奈が勝手に、付き合ってるって勘違いしてたって事?」

私の一方的な睨みに、一緒にいた音緒さんと言う女性が、尚太君との間に入った。

「まあまあ。えっと……心ちゃんだっけ?」

私は音緒さんから、視線を逸らした。

「尚太はモテるからさ。そう言う勘違いする人、多いのよ。でも、この子は二股かけたり、女で遊んだりするような子じゃないよ。」

その言い方に、またイラっとする。


「一体あなたは、尚太君の何なんですか?」

「私?」

音緒さんは、自分を指さした。

すると尚太君は、呆れた顔でキッチンへ行く。
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