Dangerous boy
「本当に、何でもないから。」

真っすぐに否定してくれる尚太君。

ううん。

それに喜んじゃいけない。

今は、環奈の事考えなきゃ。


「……環奈は、尚太君の事、好きみたいよ。」

「うん、知ってる。」

尚太君は、当然のように答えた。

「知ってるって!」

「だけど、俺が欲しいのは、心だから。」

また心臓が、ドキンッと言う。


「環奈は、俺の事狙っていて、何度も何度も店に来てくれた常連だったんだ。正直、プレゼントとかも貰ったし、店の外で会おうって言われて、二人で会った事もある。」

「だから、それが!」

「大事な客なんだ。仕方ないだろ。」

いつでも真っすぐに話してくれる尚太君を、私は好きになったけれど、今回だけは分からない。

「お客さんなら……何してもいいの?」

「何してもいいなんて、言ってない!」

「現に!環奈は、尚太君のそう言う行動で、付き合ってるって、勘違いしてるじゃない。」
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