Dangerous boy
「そうだな。」

私が驚く程に、尚太君は素直に認めた。

「環奈に、謝るよ。」

私は手をぎゅっと、握った。

「じゃあ、環奈をここに連れて来てもいい?」

「ああ、いいよ。」


逃げない、その態度に、カッコイイとまで思う私は、やはり彼に惚れこんでしまったんだろうか。

「分かった。」

私はこれ以上、彼にのめり込まないように、尚太君に背中を向けた。

環奈に連絡を取っている間も、尚太君の視線を感じる。

それが意心地いいとさえ思ってしまう自分が、情けなく感じる。


しばらくして、環奈とお店の前で、落ち合う約束をした。

20分程で来ると言う。

それを尚太君に告げると、このまま外で待っていると、言いだした。

何でこんなに、正々堂々としてるんだろう。

それは本当に、環奈がお客さんの一人だったって事の、証明なんだろうけど、そんな堂々としている彼から、私は目が離せないでいる。
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