Dangerous boy
何もは話さずに待つ事、15分。

もう少しで環奈が、お店の前に着くってところで、尚太君と目が合った。


「ん?」

その切れ長の色気を帯びた目で、覗き込まれても、何も言えない。

私は、尚太君の反対の方向を向いた。

すると、尚太君は私の目の前に立った。

「ごめん。」

そこには、私に頭を下げる尚太君の姿があった。

「友達の事で、嫌な思いさせてごめん。」

そこでも、何も言えない私は、一体どうすればよかったんだろう。


迷っている間に、環奈が来てしまった。

「連絡くれて有難う、心。」

私は頭を左右に振った。

「それで?私に話があるって、何?」

環奈にそう言われると、尚太君は私の時と同じように、環奈に頭を下げた。


「誤解させて、すまなかった。」

「な、何?急に……」

開口一番に謝った事で、環奈は身構えている。
< 68 / 171 >

この作品をシェア

pagetop