Dangerous boy
「いや……彼女は……」

するとその女の子は、私の目の前に来て、とんでもない事を言い始めた。


「いい年したオバサンが、大学生を色仕掛けで誘うの、止めて貰えませんか?」

いい年したオバサン!?

初めて言われた言葉に、茫然としてしまった。

「尚太は、遊んでる暇なんてないんです。」

「止めろ、優花。」

尚太君が間に入ると、優花さんは私から離れて行った。


「ごめん、失礼な事言って。あいつ、幼馴染みなんだ。」

「そうなんだ。」

何となく、そんな気がしていた私は、全く気にもしなかった。

「じゃあ、紗和子さんって言うのは?」

勢いに乗って、それも聞いてみた。

「ああ。紗和子さんは、俺を育ててくれた人。」

「……お母さんって事?」

「そんな感じ。」


そんな感じって事は、血は繋がっていないのかな。

尚太君の家庭って、複雑なのかな。

そんな事を思いながら、尚太君が作ってくれたカクテルを、味わうように飲んだ。
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