Dangerous boy
「ううん。好きなように呼んでくれていいよ。」

案外、いい人なのかなって思うのは、私が単純だから?

「音緒さんは、尚太君の元カノですか?」

「えっ!」

尚太君は、カウンターの奥で驚いているし、音緒さんは、口を開けていた。


「あっ……はははっ!面白い。」

音緒さんは、顔に手を当てて、笑っていた。

「そうだなぁ。なり損ねた人?」

「音緒さん!」

それ以上、話されてはまずいのか、尚太君は音緒さんの近くに寄った。

「いいじゃない、いいじゃない。あのね、私も尚太の事、好きよ。」

尚太君は、私に”本気で聞くな”とばかりに、私に向かって頭を振った。

「でも、付き合ってもくれなかったの。代わりに何て言ったと思う?」

「さあ?」

交際を断った代わりなんて、私には想像もできない世界だ。


「好きにしていいよって言ってくれたの。好きな時に飲みに来ていいし、好きな時に会いに来ていいよって。」
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