完璧美女の欠けてるパーツ
「何か心配事でも?」
「心配事というのか……ずーっと前からの悩みで。つまらない話ですね、忘れて下さい」
「あの、縁あって知り合えたので、僕でよかったら悩みに付き合いますよ。別の視点で見ると意外とすんなり解決できることもありますし」
「とんでもない悩みなので、誰にも言えません」
苦笑いする梨乃だけど、鈴木は真剣な顔でテーブルを挟み梨乃を見つめる。
「僕の口は堅いです。心配なら証書を作ってもいい。もし、よかったら話して下さい。でも嫌なら話さなくてもかまいません。無理強いはしないので……あっ、僕ごときが偉そうにすいません!」
なんだろう
暗がりの中でのキリスト像のような
鈴木の周りから柔らかい光が見えてきた。
「鈴木さんが協力してくれるなら、問題は解決できます」
静かに言うと鈴木は喜んだ。
「そうなんですか?それは良かった。何でもやります。力仕事でも税務問題でも」
力仕事
確かに力仕事だ。
「資産運用もできます。森田さん綺麗だから、ストーカー被害とかあれば一緒に警察に行きます」
「私を」
「はい」
「私を抱いて下さい」
勇気を出して言ってみると
鈴木はその場で固まってしまった。