甘味好き御曹司とお見合い結婚!?
そんな夕飯を終えて、私は自分のスペースに戻る祖母を見送るとお風呂に入って自室に下がった。
そうして、忙しいのか今日はまだ夜のメッセージが届かない高峰さんに私は初めて自分からメッセージを送ってみることにした。
「お疲れ様です。一昨日祖母が退院しました。今週末に診察を受けに行って問題なさそうならゆっくり日常生活に戻って良いそうなので一安心です。お忙しそうなので、体調に気を付けてくださいね。おやすみなさい」
そんなメッセージを送ると私は、早々に眠りについた。
私からの初めてのメッセージに出張先で高峰さんが一人喜びを爆発させていたのには、私は全く気付かなかったけれど。
私としては、自分からメッセージを送ったのは最初の一歩として大きなものになったのだった。
そうして、三日の出張中はメッセージが普段より早い時間や遅い時間に来るのでタイムラグがありつつも出張から帰国した足で高峰さんはボナ・ペティへ顔を出した。
ランチタイムも終わりのころで、最後のお客さんになった高峰さんに私はお昼のデザートに作って余ったババロアをもって席へと向かった。
「高峰さん、お疲れ様です。よかったら、これどうぞ」
私が差し出した器を見て、高峰さんは目を丸くしたあと嬉しそうに笑うと私に言う。
「これ、もらっていいの?」
「ランチ用のデザートで、これ余りの分だから良かったら食べちゃってください」
ニコッと笑って伝えれば、高峰さんは私に微笑み返して言う。
「ありがとう、ありがたく頂戴するよ」
そういうと、さっきまでの少し疲れた顔から一転嬉しそうに顔を綻ばせてババロアを食べていたのだった。
やっぱり疲れた時は甘いものだよね!
嬉しそうに甘いものを食べている高峰さんの顔を見て、一週間ぶりの姿に安堵を抱きつつ私はディナータイムの準備を始めたのだった。