甘味好き御曹司とお見合い結婚!?
初めてのデート
そうして、買い物も満喫し一日仕事をした翌日。
約束の木曜日。 私はお昼まではいつも通りの休日を過ごしたあと洗濯なども取り込んだ十五時過ぎにはソワソワとし始めて、一昨日買ったワンピースと対峙していた。
「ちょっと可愛すぎやしないかな……」
そうつぶやく私の目線の先のワンピースはシフォンに花柄プリントのシャツワンピース。
これを羽織にして中にシンプルなTシャツと細身のデニム、買ったウェッジソールのサンダルに珍しく買ったイヤリングを着けて、久しぶりにミディアムの髪をコテでふんわりゆる巻にした。
「気合い入れすぎ? でも、あの高峰さんと出掛けるとなるとこれくらい妥当?」
そもそもデート自体が初体験だと、基準もなにもないので正解が分からない。
ダメもとで私は和美に鏡に写したコーデを写メして送ると、速攻で既読がつき返事が来た。
「初デートなら、これくらいOK! むしろワンピで着て、デニム要らなくない?」
との返信が来て、あわあわしつつも返信する。
「これが精一杯なんですけど!」
「まぁ、夏乃らしいからいいんじゃないかな! 健闘を祈る」
こうしてやり取りしている間に、待ち合わせの時間から一時間を切った。
ソワソワはピークを迎えつつ、私は買ったばかりの小ぶりのバックに財布やスマホにミニポーチ等のお出かけグッズを入れて早めに家を出ることにした。
我が家から最寄り駅まで徒歩二十分。
ボナ・ペティはその間にあり、駅から五分がお店だ。
なので、普段も通勤は徒歩で十五分歩いている。
そんな歩きなれた道を約束の三十分前に歩いていると、後ろからクラクションの音がして、慌てて端に寄ると、後ろから来た白のセダンが私の横で止まった。
私は、なんだろうと思って横を向くとそこに高峰さんがいて驚く。
驚いている間に、止まった車から降りてきた高峰さんが、微笑んで声を掛けてきた。