浮気男のシンデレラ




「ゴメン、今日飲み会入った。」

「え〜またぁ‼」


「なるべく早くかえるよ。
穂花寝てていいよ。」


「ぇ‼ 今日キムチ鍋だよ。
瑛介の好きな‼」

「おー、この間のキムチ漬かったの?
穂花のキムチマジで美味いもんな。

お願い致します!
明日迄待って欲しい。

本気で食べたい。」

「うふふ、分かった。
今日は、パスタでも食べるよ。」

「マジでゴメンな‼
明日は必ず早くかえるよ。
穂花のキムチ鍋が待ってると思えば
元気出るよ。」


「うん。分かった、遅いなら
寝てるよ。」

そう穂花は、瑛介がキムチが好物
と知り、日韓カップルに頼み込み
彼の母親が来日した時、漬け方を
習った。

ママは厳しく教えてくれたけど
本場のキムチの美味しさを教えて
くれた。
その味を忘れないように記録した。

何回もチャレンジを繰り返して
やっとママの味に近づいた。

ママの味にはまだまだだけど
友人は美味しいと言ってくれる。

その頃の穂花はガリガリでは無く
程よく痩せて可愛らしい。

料理が上手くて、明るくて愛され系な、
穂花の旦那さんは目が覚めるような
イケメン。そう、穂花は生まれながら
のイケメン好き。

穂花の旦那さんは背が高くてカッコ
イイやさしくて、思いやりがあって
愛し上手。

この頃の穂花は本当に、幸せそう
だった。


付き合い出すと、尽くして尽くして
胃袋掴んで遂にゴールイン。


しかし 一年
二年
三年
色男につきものの災難、色男を旦那
に、持つ嫁の災難。

穂花は、浮気されてしまった。
その発覚は意外な所から漏れてしまった。



「瑛介、絵里香の結婚式決まって
招待状きてたんだけど、
行くって返事出しちゃってたの。

地元でやるらしいの!
彼も地元が、一緒らしくて
行ってもいいよね。」

「えーと結婚式で会った美人?
穂花の友達美人バッカだから
正直わかんないや。

でも行っておいでよ。
楽しんでおいで。」

「ねえ、一緒にいかない?
地元の人だから
地元でやるらしいの。
兄貴が瑛介にも会いたいらしいし、
又飲みに行きたいって
ね、行かない?」

「行っても良いけど、いつ?」
瑛介は切れ長の目をカレンダーに向け

「いつ?」
と又きいた。


「11月10日だよ。」

カレンダーを見ながら悩む穂花の
ほっぺをムニムニしながら

「最近つかれててサ。
兄さんには悪いけど来月にしてもらえ
無いかな?

来月なら、繁忙期も終わるし、
やすめるし義兄ともゆっくり飲み
たい。」

穂花はウンウン頷いて

「確かに忙しいよね。
分かった。来月に行こう。」

「来月なら余裕、余裕、」
瑛介は穂花を見ながらつぶやいた。


「あ‼ そうそう穂花‼
せっかく帰るなら有給とって
二、三日実家に帰ってこいよ。
お盆休みも日帰りだったし

義母さん達にも申し訳無く思って
たからね。」


思わぬ瑛介の提案に迷いながらも揺れ
てしまう。

「うーん、うーん。」

「え‼まさかの俺の心配?
大丈夫、二、三日くらいなんだよ。
飯くらい食うし
子供じゃないし、
アハハアハハアハハ」


ちょっと考え込んだ穂花は

「いいの?」

「うん。お義父さん、お義母さんに
甘えて来いよ。

ただし、飲みすぎは、ダメ
義兄 さんに、迎えに行って
もらうから浮気は、ないぞ」


「大丈夫、瑛介以外愛せ無いもん。」

穂花は上機嫌になり

「美味しいの作るね。」

そう言いながら昼食の準備にキッチン
に向かう。

携帯をポチポチ打ちながら瑛介も
ニコニコ顔になる。

又違った意味で・・・・・・。





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