浮気男のシンデレラ

エリカ、メランセラの花、💐

瑛介は、外資系企業に勤める
ハイスペック男子、たまたま腱鞘炎で
やって来て穂花に案内して貰ったのが縁。

可成の優良物件のモテ男、穂花の
アタックに次ぐアタック‼
遂に彼の口から

「穂花、好きだ、付き合って」


と言わせた時はホントに、

《《ヤッター❤》》と

陽和に飛び付いて二人で喜んだ。


最後の方は、瑛介の方が、
穂花に惚れてしまい、
結婚に不安だった穂花を、押せ押せ
モードで、押し切って
ゴールインしたと言うのに・・・。

そして11月10日その日はやって来た。

「瑛介、行ってくるね。❤」

穂花は瑛介が誕生日プレゼントに送っ
た金のネックレスと真珠のイヤリング
を付け、姿見で最後のチェックをして
いた。


「スゲー、可愛い。
凄くにあうよ、
式場には直で行くの?」

「ありがとう。
うん友達と駅で待ち合わせして
新幹線降りたらタクシーでホテルだ
よ。 」

瑛介はバックハグをして
ギュュューっと抱きしめ
セットした髪にチュッチュッと
キスの雨を降らせる。


「ん﹏`Д´こらっ、乱れるぅ﹏」

「ゴメンゴメン、行かせたく
無いんだ な これが‼」

瑛介はぎゅっとしながら首元で囁いた。

「じゃあ瑛介も行こうよ。
自慢の旦那様を皆に紹介したいの‼」

穂花は本気で誘って見た。

「冗談冗談‼楽しんでおいで!」

瑛介の包容力溢れる笑顔に騙され長い
キスと長いハグを繰り返した。

これが2人の最後の愛情交換になる事を
魂は、知っているかのようだった。

嫁に優しい夫は、他の女にも優しい事
を穂花は知らなかった。


瑛介の浮気が一年以上続いている
事など疑いもしなかった。


瑛介はそれ程穂花に、愛情表現を
かかさなかった。


駅で陽和と待ち合わせ。

陽和はピンクのハーフドレスに、
薄手のコートを羽織遠くからでも、
フンワリカールの可愛らしい陽和は、
直ぐ見付けられた
陽和は凄く目立っていた。

一方陽和は駅に早く着いたせいか穂花
をキョロキョロ探していた。

穂花の乗ったタクシーが目の前で止まり

「あーヤバいヤバい!髪が決まん
無い。
瑛介が、出る時ベッタリハグるしー‼
可笑しくない?へんじゃない?」

タクシーのドアが、閉まるや否や穂花
の惚気愚痴が飛び出す。

ワインカラーのワンピースに結い上げ
た髪が穂花に良く似合っていて、可愛
らしい。

「大丈夫、瑛介さん分かってハグして
るよ。セット全然こわれて
ないよ。」

「そう?ホント‼」

穂花は、ホッとした顔見せたが、陽和
は軽い疑問を持った。

普通にハグしても少しは乱れるのが本
当、凄く慣れていると思った事は
言い出せ無かった。



結婚式をあげる絵梨花は、穂花と
大学の、テニスサークルの仲間。

穂花と絵梨花は同じ高校出身で
仲がいい。そして私達は同じ病院で
働く 秘書仲間だ。


後の二人、の看護士加奈と真紀は
私達の同期だ、2人が走って来るのを
確認して新幹線乗り場へ4人で向かう。

近場への旅行みたいで中々たのしい。
穂花は穂花の実家に泊まるように進め
てくれるが、陽和と真紀と加奈は
遠慮した。
地元の友達同士で、はっちゃけて
もらいたかったからだ。

私達とは何時でも会えるし飲める
だから地元の、たまにしか会え無い友
人と、絵梨花をお祝いして欲しかった。

「私達も楽しんで帰るから、
絵梨花と穂花も楽しんでおいでね。」

と返した、真紀も加奈も同じ意見だ
った。

それから、たわいの無い話をして
駅に着くとタクシーに乗り結婚式場
のあるホテルへと向かった。

ホテルへ着くと、花嫁控え室へと足を
すすめる。
玄関を抜けるとデカい胡蝶蘭の、ピン
クや白や赤が、出迎えてくれた。


私達に気づいた30代位のショートカッ
トのプランナーさんが控え室迄案内し
てくれた。


純白のレースドレスに身を包んだ絵梨
花とご対面。


陽和憧れのマリアベールを絵梨花は頭からまとい、本当に華のようだった。


「絵梨花、綺麗。」


4人の口から飛び出た言葉は、お世辞で
なく心から思った言葉だった。

レース仕立てのウエディングドレスは
姉さん系の美人な、絵梨花にはウット
リするほど似合っていた。

どこかの高級な、玩具やさんの奥に
ドーンと飾られたフランス人形のよう
に気高く貴賓のある姿だった。



ふと人の気配に
振り返る。


だれ!だれ!だれ?誰?
突然ノッコり現れた男性に、陽和、
穂花、真紀、加奈は、・・・・・・?

プックラまあるい体型の見るからに
クマちゃんのぬいぐるみ、ニッコリ
笑った顔は癒し系。


∵ゞ´ε` ブハッ!! ・∵ブフッ!!ꉂꉂᵔᗜᵔ

しかし‼ ん?

グレーの花婿衣装、胸にはピンクや白
赤のエリカ、メランセラの花が胸元を、 飾り・・・


4人で絵梨花のブーケをバッと見ると
同じエリカ、メランセラ

ん?

・・・・・・・・・と、言う事は?当然。

どんなイケメンな彼氏が出てくるか
楽しみにしていた私達は、余りの
ギャップに、失礼極まりないけれど

驚いて笑ってしまった。

そんな私達に、怒りも嘆きも文句すら
言わない絵梨花の彼は

ドーンと構え、頭を掻きながら一緒に
大笑いしていた。

プンプン怒り出したのは絵梨花で

「私の旦那様よ‼
失礼よっ‼」

と、怒り心頭。そんな絵梨花に彼は

「絵梨花‼落ち着け‼
君が主役何だし俺は絵梨花
が、俺の所に来てくれただけ
で凄く幸せすぎる。」


絵梨花は可愛らしい笑顔に笑窪を立て
くまさんの蝶ネクタイを直しながら
今日の匠、カッコイイ!
大好き。」


彼は⸝⸝⸝ポッ⸝⸝⸝ ♡︎♡︎ と顔を綻ばせた。

成程カワイイと4人は思ってしまった


「絵梨花、おめでとう🎊
この彼氏ならきっと幸せに
なるよ。
シッカリ愛されて羨ましい。」


絵梨花に対する彼の思いやりは深く
絵梨花を見る眼差しも暖かい愛情
に溢れていた。
絵梨花が彼を選んだ理由がよく分かる。

会場のテーブルにはエリカの花が飾ら
れていた。

絵梨花を幸せ色に染め上げた彼は、
イケメンじゃ無いけど
絵梨花が羨ましいと、誰もが思って
いた。


おおらかで、包容力があり、誰にも
慕われているようで、安心した。

ラクビーをやっているらしく丸いけど
筋肉凄くて背も高い。

彼の腕にぶら下がる絵梨花は、
はしゃぎ過ぎて楽しそう。
彼もヒートアップしたようで

エリカをグルグル回し出した。
キャー ̳> ·̫ < ̳ฅヾ〃∇〃ツ キャーーーッ♡
キャー

叫ぶ絵梨花もそりゃもう楽しそうな事。

私達四人も楽しくなった。
私もぶり回されたい✪ω✪
そう思っていたのは
私だけではなかった。

ブハブハになった絵梨花の写真を撮り
来れなかった室長に送信。

時間になり迎えに来たプランナーさん

は・・・
!!!!!(ꉻ⌓ꉻ)!
「そろそろお時━━━━か━━━ん‼━━━━━━━━ですすすーウギャャャ」


もう気絶寸前‼
ブーケはぶっ飛び髪は乱れ、
「なにしてはったんですかー」

《《《うがががながながなな》》》
と意味不明の呪文をとなえバタバタ
と出て行ったかと思うと

何故か、ブハブハの絵梨花のように
なった美容師さんを連れて帰って来た。

美容師さんもプランナーさんも全力
疾走したんだろう

《《《ハァハァ、ゼーゼー》》》
ハァハァハァハァ
ゼーゼーゼーゼー

息を整えるひまもなく、ゼーゼゼZeー
ゼーゼゼZeー
聞こえるのは苦しそうな肺呼吸


こんな事は初めてだと、引きつった
笑顔を見せられた彼はペコペコと、
頭をさげていた。


(お前らも止めろよ!)
そう言いたげな美容師さん達の
ジロ見が私達に突き刺さる。

プランナーさんは飛び散ったブーケ
を拾い集め花屋さんへと走った。


ブハブハに乱れまくった絵梨花は又
美しく整えられ、ぶち撒かれたブーケも
何も無かったように美しい姿を現した。




ホテル内の協会で賛美歌の流れる中
2人は晴れて夫婦となった。

絵梨花は泣いて無かったけど旦那さんの
つぶらな瞳には、涙が溢れていた。

「あーヤッパリ憧れる。」

盛大に行われた披露宴は旦那さんの
人柄を表すように沢山人が集まり
お祭りに行ったように、賑やかで
楽しかった。

旦那さんのススメもあったけど二次会
は丁重にお断りして、絵梨花と穂花を
置いて帰る事にした。
















< 18 / 51 >

この作品をシェア

pagetop