浮気男のシンデレラ
慶一道の車が滑るように武蔵野病院
へと入ってきた。
第一駐車場に車を止めて陽和が出てくるのを、ストーカーの如く待つ‼
ストーカーも時間をやりくりして
待つのか?何度かストーカーされた
、が今自分がまさにストーカー行為
をしているような気になる。
ストーカーもストーカーしている
自覚は無いらしいから、そうなの
かも知れない。
フウウッと背もたれにドスンと持たれ
ハンドルに頭を乗せて横向きで陽和
を待つ。
陽和にはこんなに疲れさせられるの
にそれでも頑張る自分が痛々しい。
惚れた弱みとはいえ、健気なおれ。
一時間程待ったが陽和は来ない。
会社からバンバン電話が入る。
タイムリミットかと思い、エンジン
をかけると、陽和がノコノコと
白いモフモフのコートを着て
出て来た。
“陽和“ “陽和“
一瞬、パツとコッチを見たが避ける
ように早足で通り過ぎる。
暫く後をついていくと、“ピタツ“
と止まり・・・
「えっと?何か御用ですか?」
慶一道は思わず駆け寄り陽和に
向かい頭をさげた。
「ゴメン、陽和、酷い事をしたと
自覚している。
ちゃんと謝りたかった。
本当に悪かった。
反省している。」
「あ・・・、いえ、じゃ無くて
本当に初めて会うんですけ
ど、どなた・・・ですか?」
以前と変わらない可愛らしい目を
ギョロリとさせ
怪しいものを見るように、じーっと
慶一道を見た。
《《えっ‼》》
陽和は驚いた慶一道に益々、不信感
を募らせていた。
「え・・・って?」
「慶一道だよ、忘れたの?」
「嘘‼貴方が慶一道ですって!
本気で言ってます?
あなたが・・・慶一道??
慶一道で・・すって‼」
意味不明な呪文でも唱えるように
陽和は繰り返し呟いた。
そして思い出したかのように
付け足した。
「あ‼名前は知っています。
何をされたかも、覚えています。
だけど、本当にあなたを知り
ません、貴方が慶一道とおっしゃ
るんですか? 貴方とは面識が
ありませんけど・・・」
《《し、失礼しますー。》》
陽和は不振がりながらチャリ置場
迄スタスタスタと振り向きもせず
早足で歩いた。
慶一道はカフェで、再会した陽和を
思い出した。
あのときは本当に分からなかった
みたいだった。
然し今の陽和とは何回も会っているし部屋にも来ていた。
でも陽和の態度は、本当に不思議な
顔を見せていた。
《《誰、誰怖いんですけどー‼》》
まだ穂花はいるはずだ、
仕事が終わって無いと、言っていた。
「《《穂花ーHelp》》
慶一道と名乗る男の人が出没
怖いから来てー
今チャリ置場‼」
仕事と言いながら蒼太と約束が
あった穂花は未だ病院にいた。
急いで外に出ると、慶一道らしき
人物が見えた。
急いで駆け寄り慶一道に言った。
「陽和と、会いました?」
慶一道はグレーのコートに手を
筒込み空を見上げて言った。
「俺の事、知らないんだってサ。
嫌われたもんだ。」
彼は顔を引き攣らせ苦笑いで答えた。
そんな慶一道に穂花は言った。
「陽和、本当に慶一道さんが
分からなかったみたいですよ。」
《《えっ‼》》
それからチャリ置場迄二人であるいた。
チャリ置場でビビル陽和に
彼が慶一道だと確認させたが
陽和は頑なに知らないと言い張る。
それは嫌がらせでも無く
本心のようであった。
免許証を見せ、名刺をみせても首を捻る。
陽和に免許証と名刺を見せたのは
3回目最初に出会った時と、
名刺はBARで
そして今
彼が雅楽代慶一道である事は
穂花も証明している。
急いで脳神経内科の先生に診てもらった。
検査をしないと何とも言えないが
軽い心因性記憶障害では無いかと
言われた。
心因性障害は極度の、ストレスにより特定の人物や、過去を忘れてしまうが全て忘れる事は無くて
生活に支障は無い。
然し陽和は自分に起きた事すべてを
覚えている。
が、慶一道の顔、姿、形を
どうしても思い出せない。
一緒に診察室に入った慶一道は
陽和に全部話、許しを乞うのだが
陽和は、全部知っている。
慶一道だけを忘れてしまっただけだ。
思い出そうとしてもモヤがかかって
ハッキリ思い出せない。
「ごめんなさい。」
そんな他人行儀な態度を取られたら
あの日の事が悔やまれて仕方が無い。
慶一道は陽和にそれだけ酷い誕生日
プレゼントをしたのだと胸が
張り裂けそうになっていた。
全てをかけて、一生をかけて
償うと、陽和に言った。
然し陽和はキョトンとして、
「嫌だなぁ!あなたを忘れたのは
~(^Д^)ラッキーとしかおもえません、
あなたも良かったと思っているん
じゃない?
あなたはリ.ジオンと心置き無く
御付き合いが出来て
私もあなた方を応援できます。
これ以上の意味は無いと思い
ませんか?別に償って貰う程の事は
ないですし、
あなたは貴方の生き方を存分に、
されたら良いじゃありませんか?
ね‼
私の事など忘れてください。
そして、最愛の彼女と幸せになって
もらいたいです。
冷たい言い方でも無く、初対面の相手に話しかけているような寂しさを
俺は感じていた。
親しみも無く淡々と話かけられて
なんだか、本当に
別れを言われているようで・・・
辛かった。
陽和は最初俺に抱いた不快感は無く
時々笑顔もこぼれた。
大丈夫です、自転車があるのでと
送りを断る陽和の自転車を車に積み
陽和を家まで送る途中
陽和は、母親がオーキッドの部長で
あると話して来た。
慶一道は、誕生日の流れで偶然
知ってしまった事を話した。
「隠してて、ごめんなさい。」
「いや、気にしなくていい!
然しもっと早く知っていたら
こうはならなかったかもな‼」
陽和は窓の外を眺め
「そうかも、そしたら楽しい
日が続いていたかも・・・」
そう呟いた。
慶一道は一言
「ごめん。」と言った。
「部長に謝るよ!
家に行かせて‼
君をこんな風に傷つけてしまった。
許して貰えるまで謝るよ。」
「あ‼お願い、両親には話さないで‼
母には心配かけたく無い。
私がこんな風になったとしても
貴方の顔が一致しないだけだし、
何でも無くない?
後は、全部覚えているんだし
大丈夫、元気だしー、
辛かった気持ちもないし、
だから貴方とは初対面感覚しか無い
んです。
正直、感情がわかないし、
なんて言えばいいのかな?
今あった人に好きとか、愛してるとか分からない。」
「俺、俺は陽和と出会ってから
その日から陽和に落ちた。
出会って直ぐに、陽和を愛した!」
「え、そ、そうなの?」
陽和は驚いたように俺を見た
純粋でこんなに可愛らしい陽和を
俺は簡単に裏切った。
一時の感情で、それはもう
許されない事なのか?
そんな事を思っていると、
「でも、良かった。」
陽和はアッケラカンとしてニッコリ
俺を見ながら、そう言った。
俺はビックリして
「良かった・・・って?」
陽和はにっこり微笑みながら
「だって、ジオンさんとの貴方との
御付き合いを、応援出来るし
遠恋だけど頑張ってください。」
「え、あ、違う彼女とは
そんな関係じゃない‼」
「ん?違う?
だって、そういう事したん
でしょう。」
「ああ、ん?違う、いや違わ無いけど彼女も遊びって言うか
俺もそうだし・・・」
イライラしてきた陽和はしたの?
どうなの?と、問い詰めた。
好きの感情があった時はこんな事
出来なかった。
ウジウジ悩んでいただろう。
然し慶一道を忘れてしまった事で
パワーアップした陽和はズバっと
聞いた。
「どっち?」
「やったけど違う。」
「したんだ〜やだ〜キモイ。
あ‼ここで‼
ありがとうございました。
あ、そうだ。」
チャリを車から出すと陽和は
じーっと見て言った。
母親に話たら 2度と会いません
からね、本気ですから・・・。」
ぎろりと睨みを効かせる顔は部長が
不機嫌な時の顔だ。
部長がこんな顔する時はちっちゃく
なる、
「はい、分かりました」
としか言えない。
へと入ってきた。
第一駐車場に車を止めて陽和が出てくるのを、ストーカーの如く待つ‼
ストーカーも時間をやりくりして
待つのか?何度かストーカーされた
、が今自分がまさにストーカー行為
をしているような気になる。
ストーカーもストーカーしている
自覚は無いらしいから、そうなの
かも知れない。
フウウッと背もたれにドスンと持たれ
ハンドルに頭を乗せて横向きで陽和
を待つ。
陽和にはこんなに疲れさせられるの
にそれでも頑張る自分が痛々しい。
惚れた弱みとはいえ、健気なおれ。
一時間程待ったが陽和は来ない。
会社からバンバン電話が入る。
タイムリミットかと思い、エンジン
をかけると、陽和がノコノコと
白いモフモフのコートを着て
出て来た。
“陽和“ “陽和“
一瞬、パツとコッチを見たが避ける
ように早足で通り過ぎる。
暫く後をついていくと、“ピタツ“
と止まり・・・
「えっと?何か御用ですか?」
慶一道は思わず駆け寄り陽和に
向かい頭をさげた。
「ゴメン、陽和、酷い事をしたと
自覚している。
ちゃんと謝りたかった。
本当に悪かった。
反省している。」
「あ・・・、いえ、じゃ無くて
本当に初めて会うんですけ
ど、どなた・・・ですか?」
以前と変わらない可愛らしい目を
ギョロリとさせ
怪しいものを見るように、じーっと
慶一道を見た。
《《えっ‼》》
陽和は驚いた慶一道に益々、不信感
を募らせていた。
「え・・・って?」
「慶一道だよ、忘れたの?」
「嘘‼貴方が慶一道ですって!
本気で言ってます?
あなたが・・・慶一道??
慶一道で・・すって‼」
意味不明な呪文でも唱えるように
陽和は繰り返し呟いた。
そして思い出したかのように
付け足した。
「あ‼名前は知っています。
何をされたかも、覚えています。
だけど、本当にあなたを知り
ません、貴方が慶一道とおっしゃ
るんですか? 貴方とは面識が
ありませんけど・・・」
《《し、失礼しますー。》》
陽和は不振がりながらチャリ置場
迄スタスタスタと振り向きもせず
早足で歩いた。
慶一道はカフェで、再会した陽和を
思い出した。
あのときは本当に分からなかった
みたいだった。
然し今の陽和とは何回も会っているし部屋にも来ていた。
でも陽和の態度は、本当に不思議な
顔を見せていた。
《《誰、誰怖いんですけどー‼》》
まだ穂花はいるはずだ、
仕事が終わって無いと、言っていた。
「《《穂花ーHelp》》
慶一道と名乗る男の人が出没
怖いから来てー
今チャリ置場‼」
仕事と言いながら蒼太と約束が
あった穂花は未だ病院にいた。
急いで外に出ると、慶一道らしき
人物が見えた。
急いで駆け寄り慶一道に言った。
「陽和と、会いました?」
慶一道はグレーのコートに手を
筒込み空を見上げて言った。
「俺の事、知らないんだってサ。
嫌われたもんだ。」
彼は顔を引き攣らせ苦笑いで答えた。
そんな慶一道に穂花は言った。
「陽和、本当に慶一道さんが
分からなかったみたいですよ。」
《《えっ‼》》
それからチャリ置場迄二人であるいた。
チャリ置場でビビル陽和に
彼が慶一道だと確認させたが
陽和は頑なに知らないと言い張る。
それは嫌がらせでも無く
本心のようであった。
免許証を見せ、名刺をみせても首を捻る。
陽和に免許証と名刺を見せたのは
3回目最初に出会った時と、
名刺はBARで
そして今
彼が雅楽代慶一道である事は
穂花も証明している。
急いで脳神経内科の先生に診てもらった。
検査をしないと何とも言えないが
軽い心因性記憶障害では無いかと
言われた。
心因性障害は極度の、ストレスにより特定の人物や、過去を忘れてしまうが全て忘れる事は無くて
生活に支障は無い。
然し陽和は自分に起きた事すべてを
覚えている。
が、慶一道の顔、姿、形を
どうしても思い出せない。
一緒に診察室に入った慶一道は
陽和に全部話、許しを乞うのだが
陽和は、全部知っている。
慶一道だけを忘れてしまっただけだ。
思い出そうとしてもモヤがかかって
ハッキリ思い出せない。
「ごめんなさい。」
そんな他人行儀な態度を取られたら
あの日の事が悔やまれて仕方が無い。
慶一道は陽和にそれだけ酷い誕生日
プレゼントをしたのだと胸が
張り裂けそうになっていた。
全てをかけて、一生をかけて
償うと、陽和に言った。
然し陽和はキョトンとして、
「嫌だなぁ!あなたを忘れたのは
~(^Д^)ラッキーとしかおもえません、
あなたも良かったと思っているん
じゃない?
あなたはリ.ジオンと心置き無く
御付き合いが出来て
私もあなた方を応援できます。
これ以上の意味は無いと思い
ませんか?別に償って貰う程の事は
ないですし、
あなたは貴方の生き方を存分に、
されたら良いじゃありませんか?
ね‼
私の事など忘れてください。
そして、最愛の彼女と幸せになって
もらいたいです。
冷たい言い方でも無く、初対面の相手に話しかけているような寂しさを
俺は感じていた。
親しみも無く淡々と話かけられて
なんだか、本当に
別れを言われているようで・・・
辛かった。
陽和は最初俺に抱いた不快感は無く
時々笑顔もこぼれた。
大丈夫です、自転車があるのでと
送りを断る陽和の自転車を車に積み
陽和を家まで送る途中
陽和は、母親がオーキッドの部長で
あると話して来た。
慶一道は、誕生日の流れで偶然
知ってしまった事を話した。
「隠してて、ごめんなさい。」
「いや、気にしなくていい!
然しもっと早く知っていたら
こうはならなかったかもな‼」
陽和は窓の外を眺め
「そうかも、そしたら楽しい
日が続いていたかも・・・」
そう呟いた。
慶一道は一言
「ごめん。」と言った。
「部長に謝るよ!
家に行かせて‼
君をこんな風に傷つけてしまった。
許して貰えるまで謝るよ。」
「あ‼お願い、両親には話さないで‼
母には心配かけたく無い。
私がこんな風になったとしても
貴方の顔が一致しないだけだし、
何でも無くない?
後は、全部覚えているんだし
大丈夫、元気だしー、
辛かった気持ちもないし、
だから貴方とは初対面感覚しか無い
んです。
正直、感情がわかないし、
なんて言えばいいのかな?
今あった人に好きとか、愛してるとか分からない。」
「俺、俺は陽和と出会ってから
その日から陽和に落ちた。
出会って直ぐに、陽和を愛した!」
「え、そ、そうなの?」
陽和は驚いたように俺を見た
純粋でこんなに可愛らしい陽和を
俺は簡単に裏切った。
一時の感情で、それはもう
許されない事なのか?
そんな事を思っていると、
「でも、良かった。」
陽和はアッケラカンとしてニッコリ
俺を見ながら、そう言った。
俺はビックリして
「良かった・・・って?」
陽和はにっこり微笑みながら
「だって、ジオンさんとの貴方との
御付き合いを、応援出来るし
遠恋だけど頑張ってください。」
「え、あ、違う彼女とは
そんな関係じゃない‼」
「ん?違う?
だって、そういう事したん
でしょう。」
「ああ、ん?違う、いや違わ無いけど彼女も遊びって言うか
俺もそうだし・・・」
イライラしてきた陽和はしたの?
どうなの?と、問い詰めた。
好きの感情があった時はこんな事
出来なかった。
ウジウジ悩んでいただろう。
然し慶一道を忘れてしまった事で
パワーアップした陽和はズバっと
聞いた。
「どっち?」
「やったけど違う。」
「したんだ〜やだ〜キモイ。
あ‼ここで‼
ありがとうございました。
あ、そうだ。」
チャリを車から出すと陽和は
じーっと見て言った。
母親に話たら 2度と会いません
からね、本気ですから・・・。」
ぎろりと睨みを効かせる顔は部長が
不機嫌な時の顔だ。
部長がこんな顔する時はちっちゃく
なる、
「はい、分かりました」
としか言えない。