浮気男のシンデレラ

ジオン来日

毎日電話するが陽和は出ない。
LINEもするけど既読無視。
七草も終わった頃撮影が始まる。

週刊誌、メディアは俺に張り付いて
陽和にも会いに行けない。

俺は出迎えに行けないと陽和の
為に断った。

かわりに
幹部を揃えリ.ジオンを出迎えると
伝えたがジオンは、俺の出迎えを
望んでいると言う。

勿論、宣伝効果は抜群だと思う。
撮影にも支障が無いとは限らず
渋々準備をする。

又陽和に誤解されるからと施策を
考えるが自業自得と言われれば
その通り。

世間的にはジオンの恋人として認識
されている。

飛行機から降り立ったジオンを待ち
構えるメディアのあまりの人数に
空港は大パニック

ジオンの来日は公表していないのに
何処から漏れたのだろう。

呆気に取られる慶一道にジオンが
飛びついた。

「I Wanted to meet」
会いたかった。

「 I Wanted to meet after
a long time」
久しぶり、俺も会いたかっ
た。
カシャカシャカシャとシャッター音が響きカメラの眩しい光が
二人を写し出した。


「( ー̀дー́ )チッ!
ヤッパ会いたかったの
かよ。」

記者の中に紛れ混んだ陽和は、
ガックリと呟いた。

母親が出迎えの為、車で乗り付けた
陽和は、空港迄付き合う羽目になった。
嫌だったが、母親の権力には逆らえず付き合う羽目になった。
コレから食事会でお酒も出る為母親は運転出来ない。


だから陽和の出番。
土曜日は休みだから刃向かえない。

その日母親は、夜遅く
疲れ果て帰って来た。お風呂も
入らずソファに座るなり即効寝落ち
した。


ジオンと慶一道の事を聞こうと
思っていたが、コレじゃ無理だ。

母親のくたびれた顔は40代の年相応
に見えた。
余程ジオンは、オーキッドに執拗な
人物らしい。

次の日

「うー、頭痛ーい‼鎮痛剤ある?」

「ママ、飲みすぎじゃん。
どーしたの?」

冷蔵庫からミネラルウォーターと
鎮痛剤を手渡す。」

昨日の事をそれとなく聞いてみる。

「ジオンはどうだったの?
副社長の恋人なんでしょう。」

「ああ・・・ね。」
そう言ったきり、ポイッと鎮痛剤を
口に入れると、ゴクゴクゴク
ミネラルウォーターを一気飲みして


「死んだ〜」
と呟き又バタッと寝てしまった。
ウップ・・・ハー

「ああ・・・ね。」だけ?

暫くぶっ倒れた、母親を上から眺め

「今日は無理だな‼」
と陽和は呟いて諦めた。





ジオンが来日した今日、陽和の誤解が恐ろしかった為、空港の出迎えは
端っこに居たのに、ジオンが目ざとく見つけ向こうからダッシュして
飛びついて来た。

メデイアのフラッシュを浴び、
顔で笑って"⌒▽⌒"

“あーやべー‼終わった😭💦と
心は泣いていた。

テレビも来ている。
この瞬間を映さないわけが無いw
当然陽和も見るだろう╥﹏╥。
タラタラ流れる冷や汗をフキフキ

撮影現場は沖縄
クルーを連れて明日出発の為、
空港近くのホテルに宿泊

大仏部長にも依頼して付き合わせた。
身の潔白を証明するには最適な人材。

俺は仕事と言い、大仏部長にジオンの事をお願いした。


最初はつまらなそうにしていた
ジオンも、大仏部長の人柄を気に入り楽しんだようだ。

最後には旅の疲れも出たのか
日にちをまたがず眠ったらしい。


次の日朝早くホテルに着いた。
メディアにはバレないように裏口
からはいる。

ジオンと朝食を取る為に彼女を
呼びだし、待っていると、フロント
に沢山の人がいて脳梗塞を起こした
客が、寝かされていた。

そしてそこには、偶然視察に行く為
前の日から武蔵野先生(蒼太の父)
がいた。
暫くすると陽和がひょっこり現れて
ジオンと並んでいる所を見られた。

Σ( ̄ロ ̄lll)ゲッ!!
「違う、ちが、違う。」
ジオンは青くなった俺を見て

「慶一道、どうしたの?」
的な顔をして、俺の腕にベッタリと
張り付いて来た。



陽和は気にもしない態度を取り救急隊と話をして、冷たい笑いを俺に向け去って行った。


「もしかして!」
嫌な予感はよく当たるもので沖縄行きの飛行機・・・

ガックリ

まさかの一緒だった。


席は離れていたが・・・
先生は見て見ぬ振りをしていたが
余りにジオンがベタベタして来るのが分かったのだろう。

「んーんっん‼ん‼ん‼」
と武蔵野父が咳払いをして来る。


ドキドキ、バクバクな、
アトラクション顔負けの半端ない
鼓動。

俺は後ろをチラチラ
≖_≖​ 陽和の視線が動かない
針のむしろとは良く言ったものだ。

空港では、降り立つやいなや
ジオンの滞在時間が決まっている為
撮影現場に直行した。

ホッとした間も無く
新人の相手役が現れず、飛行機に
乗り遅れたらしいと事務所から連絡
が入った。



そしたらジオンが、
Is not kiichidu he is good
慶一道がいるじゃない
彼がいい。


そうジオンが言ったから万丈一致で
即決した。
そうなると仕事の調整がいるが
仕方がない。

ホテルに仕事を持ち込んでやる
しかない 。

ジオンのレッドパープルのドレスに
合わせて、高級感を出すため

光沢のある黒のタキシードに
ワインカラーの超ネクタを絞める

撮影現場を覗きに来た陽和は、

「別に沖縄まで来る意味無くない?
せっかくなんだから海で撮れよ。」
と呟いた。






< 41 / 51 >

この作品をシェア

pagetop