浮気男のシンデレラ
二人のValentineday…(🍫)

穂花、妊娠

それから1ヶ月、オーキッドの春の
口紅と化粧水のCMが、流れ始めた。

階段を降りるジオンを受け止める
慶一道は、顔は出ていないが、
切れ長の顎の下から、首筋、ジオン
よりキュンキュン来ると、CMが
流れる前から話題だった。

チューリップの可愛らしさに
妖艶なライトが当たり、ジオンらしさを演出している。

慶一道もカッコイイ‼と思うが
ぜ〜ったい言わない‼

彼はジオンの恋人なんだから。
W﹏悔しいのはなぜ‼

コーヒを飲みながら呟く陽和の
お気に入りの月9のドラマの再放送に
流れたCM

小悪魔の様な、ジオンの可愛さ、
世の男どもはこのギャップにやられ
るんだ。


「かけ離れた世界の、話し。」

そう呟きながら里芋を剥く。
今日は、父が煮物をリクエストして
きた。

お煮しめに、ぶりのお刺身
茶碗蒸し。
ガタガタと軽い、音を立てて蒸し器
から湯気が上がる。

湯気に向かって

忘れたい
忘れたい
忘れたい
あの時のように、呪文をかける。
でもシッカリとジオンを庇う
慶一道の後ろ姿や
陽和を睨む顔はシッカリと、出てくる。

“あ﹏ん、ヤッパリ初雪じゃないと
ダメか〜‼“
陽和は項垂れながら芋を剥く。


オーキッドの商品がボンボン売れて
行くのに比例して、母親の帰りも
遅く父親が迎えに行く日々がふえて
いた。

その日も迎えに行く約束していたのに
父親がインフルにかかってしまった。


父親を乗せて救急外来へと車を
はしらせる。
薬の投与で、だいぶ落ち着いた父親を
乗せたまま、母親の勤めるオーキッド
本社へとハンドルをきる。

「ママ、着いたよ‼」
陽和は恋子に連絡した。

「はいはーい、すぐ行く!」
母親と一緒に出て来たのは・・・

「陽和、副社長の雅楽代さんよ。」

母親の声にハッとして、陽和は
車をおりた。
そこには藍色の上下のスーツを着た
慶一道が立っていた。


「チッメンドクサ、
初めまして、娘の陽和です。
母が大変お世話になっています。
父親がインフルエンザなので
これで失礼します。」

「あ、ああ・・・お大事に、そ、その
おデコの傷は?」

「キイテドースル メンドクサ
少し傷残りましたよ
結構強めにやられまして、
血が結構出ましたけど、気にも
なさいませんでしたよね。

ああ・・・
謝罪のひとつも有りませんでした
けど・・・

ジオンさんの、彼氏ですよね。
いや〜優しいですね。
全力で彼女守れたんですもんね。
愛されて、ますょね〜。
いやあうらやましー‼

私の元彼なんか最悪最低なん
ですよ。」


「 ジオンさん愛されてますね
私も婚活する時、全力で守って
くれる人をさがしますワ

オーッホッホッホ
ゴメンアサーセヾ(  ̄▽)ゞオホホホ」

ドアをバアアァーン💢💢と閉めた。
父親を心配する母親には何も気づかれる事がなかった。


慶一道は陽和の傷が思ったより
深く無かった事に安堵したが、
怪我した陽和より

怪我させたジオンを庇った事を
後悔した。

ジオンとの契約は、社内反対の中
副社長権限で打ち切りとなった。

色々な噂の中オーキッドの商品は
売れに売れた。

2月14日聖バレンタインデー

陽和は最近蒼太と穂花が付き合う
事になったと穂花から聞いた、
イケメンには懲り懲りと言っていた
穂花は、又イケメンへとなびいて
いったのか?

それはクリスマスイブの事だった。
病院内にあるフードコートの端に
蒼太を見つけた。
彼は陽和と慶一道の事でずっと
悩んでいた。

穂花は彼の相談をずっと聞いていた。
あの日初めて蒼太に弁当を
届けた日から、痩せた蒼太を心配して
弁当を作りお節介とは思ったが
毎日届けていた。

放って、おけなかった。

「穂花、いつもありがとう。
弁当は・・・、もういいよ。」

「えッ!・・・そ、そうなんだ。」

「 と、言いたいけど穂花の飯食っ
たら他の飯食えなくなっちゃっ
たんだ・・・ダメかな?ずっと
君と居たい。」

突然のif告白。
穂花はニッコリ微笑みながら

「私、バツイチだよ。」

「この前聞いたよ。」
蒼太は穂花の頬を撫でながら、
「そう言っていたじゃん。」
と呟いた。

「だって蒼太、御曹司グループ
抜けれ無いじゃない!
遊び呆ける男は、ちょっと‼」

「友達は大事だけど、穂花は大切
だ、もう遊びの付き合いは
やめるよ。」

「ウチのお兄ちゃん怖いよ。
特にチャラ男にはね。」

「そうか‼
何とか乗り切るしかないな‼
穂花、応援しろよ。」


その日蒼太は穂花のマンションから
出て来なかった。
そんな日々が毎日続いた。
その日から蒼太と恋人関係が
始まった。


そしてバレンタインチョコ
武蔵野先生(父親)の紙袋には
沢山のチョコがてんこ盛り

武蔵野蒼太の所にも山積みのチョコ
がある。
毎年の、事だ。

てんこ盛りのチョコを、福祉施設に
寄付する。
病院内には知られていないが毎年
の事だ。


蒼太は今年はじめて、紙袋ひとつ
だけ持ち帰った。
穂花のチョコケーキを食べたいが為
に。

「ただいま〜」

「おっかえりー“」
「これ、チョコ
穂花の作るチョコケーキに
使ってよ。」

エプロン姿の穂花に紙袋を差し出す。

「うっわあ〜高級品
勿体ないよ。」


「ギリ、ギリ、ギリチョコだって‼」
蒼太はニコニコしながら上着を
脱いでソファに座った。

「今日はね・・・エットー‼
まあ、いいや‼お風呂すまして来て‼」
穂花は報告があった。

「あ、そうだな!
今日は疲れちゃったんだ。
オペ続きでサ。」

蒼太が浴室に、消えたのを確認‼
穂花は陽和に電話した。

「陽和〜‼ 言えないどーしよう。」


俺はな〜んかいっもと違う穂花が
気になり、リビングに戻った。

すると穂花は電話していて
・・・俺は浮気を、疑った。
穂花がピンク色の甘い声を出して
いたからだ。

「いまぁ〜2ヶ月だよ。
悪阻も無いの‼うふふ
でもぉ、こわーいじゃん。」

『何がこわいのか?』
蒼太は聞き耳をたてた。

「そ、そ、彼は独身が捨てれない
と思うの‼勿論産むよ、だって
この子は蒼太の子だもん。」

“Σ( ̄ロ ̄lll)ゲッ!!マジかよww“


俺はそーっとそーっと浴室に帰った。
ドキドキ、ドキドキ、ドキドキ

「俺が父親?父親って、とーちゃん
だよ。
どーすんの!どーすんの?
マジかよww!」



ヾ(*ㅿ*๑)ツ三ヾ(๑ ³ㅿ³)ノ
ヤバイヤバイヤバイマジヤバイドウシヨウ…


蒼太は風呂に立ち
とりあえず落ち着け‼
落ち着け‼
《《落ち着けるかぁー‼》》

「武蔵野蒼太、打ちましたー
カキーン、ฅ(º ロ º ฅ)オォッ!!
コウノトリに当たりましたー

どーした事でしょーう。
コウノトリがコウノトリがぁー
子供つれてきましたーつ、
ヤッターやりました〜

バシャバシャバシャバシャバシャバシャ
バシャバシャバシャ
ひときり風呂場で暴れた後、プファ
おおっと‼そうだ‼

急に忙しくなって来た。
「モシモシ、爺さん?オレオレ
バーさんいますか?」

最愛の嫁、美代をババさん扱い
したことに武蔵野航大はドタマに
来た。

「美代にバーさんとは何事だ‼」

「バーさんにバーさんって
何が悪い?ジーさん。」

「今から住所言うから直ぐ来て‼
鍋だからさぁ早く来てよ。
あ、柑橘系の手土産忘れないで‼
ね、ね。」


あー忙しい忙しい。
ブクブクブク、プファ。





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