愛というもの~哀しみの中で~
「大吾の顔真っ赤だよ。」

なんだかつられて私の顔も赤くなってる気がする。ほっぺが熱い…。

「違うから、ちゃんとしたプロポーズはまた別にするから。ただ、そのつもりだって言ってるだけで…」

「クフフッ、ハハッ、大吾可愛くなってる。」

私が笑うといじけて上目遣いに睨むと、私の両腕を掴んでキスをする。
その勢いで私は後ろに倒れると覆い被さられたままキスが深くなる。
舌が絡み合っていると、昨日の事が思い出される。身体が熱くなり、ゾクゾクと昨日の感覚が蘇ってきて自然と声が漏れ始めた。

「茉莉がやらしくなってる。」

顔を上げ、上から熱を帯びた目で見下ろされる。

「大吾も。」

「怖くない?」

「うん、怖くない。」

確認するとまたキスをする。私は大吾の背中に手を回し服を掴む。
夢中で舌を絡め合っていると大吾のお腹が鳴った。
それまで身体に火がついたように火照り、下腹部にゾクゾクと変な感覚があったのにその音を聞いて一瞬で引いて行く。

「プッアハハハハッ、すごい音だったよ。確かにお腹すいたね。大吾のそういう所も大好き。」

「笑うなよ~。自分のお腹が憎い…俺の息子君が収まるまで待って…」
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