愛というもの～哀しみの中で～
私は何とか冷蔵庫へ行き麦茶を取り出した。
また芹沢さんは横に来るとヒョイっと麦茶を私の手から取り、キッチン台へ行ってお茶碗とマグカップに麦茶をついで部屋の真ん中にあるテーブルに置いて座った。

「茉莉ちゃんも早く！最近暑くなったから帰ってからの冷たい麦茶が最高だよな！」

そういってお茶碗のほうの麦茶を一気に飲み干した。私は恐る恐るテーブルに行きマグカップが置かれている前に座ってひと口飲んだ。

「お、美味しい。」

確かに口の中がカラカラだった私は麦茶がとても美味しく、口を潤してくれた。

「ねぇ、すっごい気になるから聞くけど、茉莉ちゃんが汚れてるってなんで？」

心臓が破裂するんじゃないかと思う程速く脈打つ。あの事は誰にも言ったことがない。

「そのままの意味です。前働いていた会社の上司に…」

平然と言おうとしたのに言葉が詰まってしまい出てこなくなった。

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