愛というもの~哀しみの中で~
「ハハハッ、いいよ。私先に顔洗って由実ちゃんにもらったコーヒー淹れるから大吾はゆっくりしてて。」

収まるってどのくらい安静にすればいいんだろう?

「はぁ、昨日の今日だし無理すると良くないしな…」

私はボソボソと何か独り言を言っている大吾を残して着替えを持って洗面所へと向かった。
冷たい水で顔を洗うと身震いしながら急いで着替える。
ふと鏡に映った上半身裸の自分を見て寒さが吹っ飛ぶくらい顔が熱くなった。
首には大吾からもらったネックレスとほんのり赤くなったアザが何個も散らばっていた。
これは昨日したことの名残、以前にも付けられたことのある『マーキング』
本当に大吾と繋がれた証だ。そして、もし大吾のお腹が鳴らなかったら今頃また勢いでしていたかも。とぐるぐる考えて悲鳴をあげたいくらい恥ずかしくなった。

慌てて服を着る。冬で良かった。首の上まであるタートルネックのセーターでキスマークもネックレスも隠れた。
何だか気恥ずかしいまま洗面所を出て慌ててキッチンへ行きお湯を沸かす。
昨日の残りのサンドイッチはそのままで、チキンはトースターで温めた方がいいかな?
そんなことを考えていたら大吾がキッチンへ来て私を後ろから抱きしめる。

「ど、ど、どうしたの?」

「ハハッ、動揺してる。怖い?」

「怖くないよ。」

「じゃあまた押し倒されるって期待してる?」
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