愛というもの~哀しみの中で~
その部屋はやはり女の子らしく、ピンクで統一されていた。
カーテンも、ラグもほんのり薄いピンクに、ベッドが置いてあり、布団のカバーは濃いめのピンクだった。
真ん中に丸いテーブルがあり、ベッドと反対の壁にはテレビもあった。

「可愛い。私の部屋のカーテンなんてグレーなの。一番安いのを買ったから。ラグも敷いてないし、たたみなの。こんなに広くないしテーブルをたたんで隅によけないと布団も敷けなくて、ベッドなんてないし…」
言っていて涙がまた溢れてきた。

「うん、でもそれは茉莉ちゃんが自分で稼いだお金で買ったものだし、家賃だって。それなのに学校まで行ってるし、本当に尊敬しちゃう。これからはさ、うちに沢山お泊り来てよ。私もう就職決まって暇だしさ、働きだしたら夜もバイトしなくていいから暇になっちゃうし。なんなら試験勉強も一緒にしようよ。」

「うん、ありがとう。楽しみ。勉強なんて一人でしてたらわけがわかんなくて…。」

「うんうん、一緒にしよう。私、これでも少し料理ができるからご飯作るね。茉莉ちゃんは先にお風呂入ってきて。パジャマとか出してるし、帰りに下着もコンビニの買っておいたから。使ってね。」

「何から何までありがとうございます。同じコンビニでバイトしてるだけの私に…」
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