愛というもの～哀しみの中で～

決めつける？確かに、大吾からは何も聞いてないし、本当に女の子と一緒に寝てたのかも見ていない。
でもじゃあどうして連絡がなかったの？なぜ帰ってきてくれなかったの？

「こんなに不安にさせた大吾くんはもちろん悪いし、もしかすると本当に浮気しちゃったのかもしれない。だからね、茉莉ちゃんがきちんと納得できるまで責めていいし、不安なら私も付いて行く。」

「ありがとう。私ね、大吾を失うのが怖い…わがままなのはわかってるけどそばにいたいの…。」

「わがままなんかじゃないよ。好きな人と出会えて、付き合って、一緒に過ごしていくうちにその気持ちが強くなるのは当たり前なんだよ。私だって前付き合った彼氏に振られたときなんてすっごい引きずったもん。やっとだよ、最近ようやくほかの男の人に目がいくようになったんだから。」

「えっ？由実ちゃんも…？どのくらい我慢すれば忘れられる？」

「う～ん、それを考えるのはまだ早いよ。本当は教えるつもりなかったんだけど、ちょっとこっちに来て。」

由実ちゃんは私の腕を引っ張ってベランダに出て、１足しかないサンダルを片方ずつ履いた。
唇の前に人差し指をあてて、そろっと下を覗いた。私も由実ちゃんの様にそろっと下を覗いた。

……えっ？
そこには壁に寄りかかってうなだれるようにして立っている大吾がいた。