愛というもの~哀しみの中で~
目が合うと困った様な憐れむ様な目でこちらを見ており、その目からは涙がこぼれ落ちた。
掴まれていた手の力が抜けて私の手が自由になったのでつい、小さい子たちにする様に手で涙を拭った。
今度はその手をそっと掴まれて引き寄せられた。
油断していた私はされるがままに体を傾けるとチュッとキスをされ、抱きしめられた。

「ごめん…つい…無理やり何かしようとかそう言うつもりはないんだ。茉莉ちゃんのこと本当に好きで…ごめん、こんなやり方しか今までしてこなかったから怖がらせないやり方がわからない。でも説得力ないかもしれないけど誓って茉莉ちゃんの許可がなければ何もしないよ!」

芹沢さんは私の肩に顔をうずめて力なくそう言った。
私は何も言えずただ頷いただけだった。

「俺さ、初めは可愛いなって思って、茉莉ちゃんの笑顔が見たかったんだ。だからしつこく話しかけてみたけどなかなか笑ってもくれないどころかほとんどまともに相手にして貰えなくて…でもいつからかよく茉莉ちゃんのこと考えるようになったし、事務所に用事がなくてもあのコンビニまで会いに行ったりしたんだ。」
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