愛というもの~哀しみの中で~
髪を乾かし終わると、どうやって大吾が出てくるのを待ったらいいかわからなくてソワソワした。
とりあえず、お布団を敷いた。
そうすると必然的に狭い部屋だし、布団の上で待つことになる。どうしようと思って立ち上がり、隅によけたテーブルの方へ行こうとしたときに大吾が出てきた。

「ひゃぁっ」

思わずびっくりして変な声が出た。大吾はそれにびっくりしてこちらを見ていた。
もうはずかしすぎてどうしていいかわからず両手で顔を隠した。

「茉莉?なんかあった?」

慌てて私の横に来ると背中に手を当てられた。
もうどうしようもなくドキドキして、きっと大吾の手にもそれは伝わった思う。

「どうした?大丈夫?」

大吾は本気で心配してくれてて私の両手を顔から優しく剥がした。
きっと顔は真っ赤になっている。何か言わないと…。でも言葉が出てこずにうつむいていた。
その顔を覗き込まれ、そっとキスをされた。大吾も私が何を考えて赤面しているのかわかったんだろう。

「茉莉のエッチ。そんな顔してたら押し倒すぞ。」

優しくささやくように言われると、なぜか身体が反応した。
火がついたように火照りだし、目が潤んできた。呼吸も心なしか速くなったように感じる。
恐る恐る大吾の顔を見ると、今度は少し荒々しいキスをされる。
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