愛というもの~哀しみの中で~
少し強引に布団に連れていかれて押し倒されたけど以前のような恐怖心が沸いてくることはなかった。
自分自身がひどく興奮しているのが分かる。
ひとしきり深いキスをすると、大吾は顔を上げた。

「ごめん、茉莉。無理やりすぎた。大丈夫?」

私を気遣ってなんとか抑えてくれているのだろう、呼吸が荒く眉間にしわが寄っていた。

「大丈夫。大吾は怖くない。お願い、やめないで。」

「もう茉莉とこういうことはできないと思ってた。良かった。本当にごめん。」

大吾の目から涙が降ってきた。私の目からも温かい涙が溢れだした。
それからは大吾が触れる手は優しかった。
そして、常に名前を呼んでくれて今触れているのは大吾だってわかるように安心させてくれた。
大吾が私に入ってくるときに痛みはなく、中で動かれると歯を食いしばりたくなるような初めての感覚に襲われて、気付けば声が漏れ出ていた。

「茉莉、痛くない?」

私はその襲ってくる感覚にたえるため頷く事しかできなかった。
それに気づいた大吾は、私の口に親指を差し入れてきた。私は自然と顎の力が抜け軽く口が開くとその隙間から更に深く親指を差し入れてきた。噛んではいけないと歯を食いしばることが出来ない分、大きな声がでる。それはもう自分のものじゃないような声で恥ずかしいのに抑える事が出来なかった。

「茉莉、もしかして感じてる?俺で気持ち良くなってる?」
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