愛というもの~哀しみの中で~
私の目からは涙が溢れ、自分の感覚がどんなものかわからず首を横に振った。

「可愛い…もっと欲しい…はぁ…茉莉…」

大吾は更に興奮して、動きに激しさが増していった。
その動きに伴って私も漏れ出る声が止まらなかった。
そこへ噛みつくように口を塞がれ、大吾の舌が入ってきて口内を舐めあげられる。
私は一気にいろんな感覚に襲われパニックになりひたすら大吾にしがみついていた。

「んんっ…はぁ、めっちゃ良かった。まだ茉莉の中にいたいけど抜くな。」

大吾は、私の耳元で囁くとこめかみにチュッとキスをして私の中から抜け出ていった。

「茉莉の声出てたのって気持ち良かったから?俺めっちゃ興奮した。また聞きたい。」

「はずがじぃ…」

恥ずかしいって言いたいのに前よりもっと声は出にくくかすれてて、前に『やらしくかすれた声』って言われたのを思い出し更に恥ずかしくなり頭まで布団をかぶる。

「ハハッ、なに可愛いことしてんだよ。俺は嬉しいよ。次はもっと気持ち良くなろっ。茉莉、顔みたい。」

きっと嬉しそうに笑ってるんだろうと思いつつそろっと顔を出すと思いのほか大吾は泣きそうな顔をしていた。

「大吾…」

私は大吾の頬に手を当てる。
その手に縋るように手を重ね、頬を押し当ててきた。

「茉莉、会えない時間怖かった。信じてもらえなかったらとか、こんな俺に呆れて愛想を尽かされたらってばっかり考えてた…」
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