愛というもの~哀しみの中で~
「私も大吾を失ったらって怖かった…」

今までの官能的なキスではなくお互いを確認しあうように深くキスをした。
それから大吾はタオルをお湯で濡らしてきてくれて私の体を拭いてくれた。
初めは恥ずかしすぎて布団の中に丸まってたけど『タオルが冷めるから早くっ』て迫られて嫌々拭いてもらった。

「茉莉はもう俺のだから恥ずかしくないだろ。全部見たし、これからも全部見る。」

なんてまた意味不明な宣言をしていた。
声がかすれて少し喉を痛めた私はもう言い返すことをせず大吾にされるがままにされた。

次の日の朝は私はお弁当詰めのバイトで早く起きると、それよりも早くに大吾は起きて着替えていた。
少し現場が遠いらしくもう出ないといけないらしい。
そんなに朝早いなら無理に泊まらなくても良かったのに…。
でもあのまま一人で過ごすのは淋しかったのでやっぱり泊まってくれたことがうれしかった。

家を出る前に昌くんが電話に出ないって慌てていた。
寝坊しているかもしれないからってタクシーで家まで帰ることにした。

「茉莉も、まだ暗いし気を付けて行けよ。また連絡する。」

「うん、ありがとう。昌くんにもお礼伝えてね。」

軽くキスをすると、急いでタクシーに乗って帰って行った。
見送りは少し淋しいけど大吾はきっと私の場所に帰ってきてくれると信じれるから少しの不安も今は感じなかった。
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