愛というもの~哀しみの中で~
芹沢さんは私から体を離すと真っ直ぐ私の目を見る。

「これからも全力で茉莉ちゃんに絡むから!嫌だったら無視してくれていいし、嫌じゃなかったら相手してよ。まずは俺を誤解されたままだと困るから俺のこと知ってくれればいいから。それでもダメならちゃんと振ってな。」

芹沢さんは強引で怖いけどあの上司とはきっと違う。それだけはわかった。

「わ、わかった。」

「なぁ、その、無理やりやられた上司ってやつのこと誰か知ってるのか?」

私は首を振る。

「わかった。あと、茉莉ちゃんっていくつ?」

「17、学校は今年から行き始めたから学年は1年生。」

なぜかドキドキが止まらず声を出すと一緒に口から心臓も飛び出しそうだった。

「若いなぁ。しっかりしてるから同じ年くらいかと思ってた。俺は芹沢大吾、20才で、高校を卒業した後家を出て、大工見習いをしてます。あとは、金ないから昌、いつも一緒にいる友達とルームシェアしてる。知りたいことがあれば何でも聞いて。できる限り何でも正直に答えるから。」
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