愛というもの~哀しみの中で~
「はぁ~、昌くんってこの前まで彼女いたって言ってたけどその子のこと好きだったのかなぁ?あんなに軽いのに。」

「プッ、フフッ、好きな人の話をしているようには聞こえないよ。」

「うん、私もなんで昌くんが好きなのか自分でもわからない。だって口は悪いし、すぐ悪態つくし、フラフラ軽いし、初めは外見だけ好きだったのに。今じゃ、たまに見せる笑顔とか、文句言いながらも美味しそうな顔して私の作ったご飯食べてくれたり、そういうところばっかりに目が行って好きだって思っちゃう。」

「わかるっ!う~ん、大吾の悪いとこなんて思いつかないけど、いい所ばっかりに目が行っちゃうの。きっと悪いところもあるはずなのに気づいてないの!たぶん大吾も私に対してそうなんだと思う。」

つい、強めに共感するから由実ちゃんはお腹を抱えて笑っていた。

「ちょっとぉ~!なに傷心中のわたしにさらっとのろけちゃって、うらやましいなぁ。大吾くんの気持ちわかるもん。たまに見せる今みたいな可愛い顔がたまらないんだわ。」

「ごめん、のろけるつもりはなくってその、共感したつもりだったの…」

そう言うとまたお腹を抱えて笑っていた。
その日は何も解決策なんて思いつかなかったし、今後どうするかなんて話にもならなかったけど由実ちゃんは笑って過ごせてすこしモヤモヤが晴れたって言っていた。
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