愛というもの~哀しみの中で~
「ねぇ、私この前由実ちゃんの家に泊まったでしょ、その時に由実ちゃんと昌くんの関係を聞いて驚いたんだけど、大吾知ってた?」

「あぁ、知ってた。茉莉も知ってるのかと思ってた。あの日だよ。俺と茉莉が仲直りした日。朝連絡とれなかったから家にタクシーで帰っただろ?あの日由実ちゃんの家で寝てたんだよ。」

そうあっさりと大吾は答えた。
やっぱり今まで遊んできた大吾にとっても昌くんと由実ちゃんの関係は普通なのかな?
大吾にも嫌悪感が湧いて体を引き剥がした。

「えっ?茉莉、顔怖いよ?」

驚いた顔して私の顔を覗きこむから、私は顔を背けた。

「えっ?別に秘密にしてたわけじゃないぞ?本当に知ってるのかと思ってたんだ。」

「それはいいの。それより大吾は何とも思わないの?」

「えっ?ダメ?」

さっきから大吾は「えっ?」ばっかり…
そこらへんは私と感覚も考え方も違うんだと思ったら悲しくなった。
私は大吾に背中を向けて座り直した。

「えっ?茉莉?なんで?やきもち?由実ちゃんが昌と仲良しだから。茉莉には俺がいるだろぉ。」

と訳のわからないことを言って私の背中にくっついてきた。

「大吾って今までは昌くんみたいに誰でも良かったのよね?その…身体だけの関係みたいな…」
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