愛というもの~哀しみの中で~
やっぱり声を上げたあとは声がかすれていた。
大吾はそんな私の声さえ可愛いって言ってくれ、ハチミツをお湯に溶かして持ってきてくれる。
その味が私は大好きだった。

次の日はお弁当詰めのバイトで朝が早かった。最近は良く由実ちゃんに教えてもらったフレンチトーストを作ってハチミツをかけて食べるのがお気に入りで、その日も作った。
最近気づいたけど、大吾はアツアツのうちにマーガリンをたくさん塗って食べている。
卵にも砂糖は入ってるけど、美味しいのかな?
でもいつも「美味しい」って食べてくれるからきっと美味しいはず!
私は食べると大吾より先に家を出た。

実は今日、バレンタインだからチラシ配りのバイトは休みにしてもらってて、お弁当詰めのバイトが終わると家に帰ってチョコムースケーキを作る予定だ。
由実ちゃんにレシピを教えて貰って、電動泡立て器も貸してもらったからすぐに出来るはず!
本当に簡単で、生クリームを泡立てて、溶かしたチョコと混ぜるだけ。
家には型がないから牛乳パックで代用して中に流し込めばあとは冷蔵庫で固まるのを待つのみ。
きっと失敗はしないはず!
大吾は‘’私バカ‘’だから、私がする事すべてに感動してくれるし、喜んでくれる。
だからきっと今日も喜んでくれるはず。
そんな大吾の顔を見るのが楽しみでバイトはいつも以上に張り切った。
私にこんな幸せを、本当に大吾には感謝しかない。
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