愛というもの~哀しみの中で~
「そうだよね…」

「ハハッ、茉莉明らかにがっかりするなよ~!俺がいるだろ。」

そう言われて肩に手を回されてぎゅーっと大吾に寄せられる。
それからは体を寄せ合って家に帰った。

「あぁ、寒かったね!お風呂入るよね?ためてくる。」

私がお風呂に行こうとすると、大吾から抱きしめられる。

「昌見ててさ、俺と茉莉ってすれ違ったり駆け引きしたりってなかっただろ?幸せだなって思った。」

私も大吾の背中に手を回しぎゅーっと抱きしめ返した。

「それは大吾が初めからきちんと気持ちを言葉で示してくれたから。でも私はやっかいだったでしょ?怖がってばっかり…」

「可愛いかったよ。すべてが初めてだろ?遊んできた俺にはもったいない。」

「一年前の今頃って受験勉強してて、でも何で私は生きることを選んだんだろうって思ってた。まさか一年後こんなに幸せだなんて想像もしてなかった。」

更に力いっぱい抱きしめられる。

「会えて良かった。俺、ストーカーみたいだったけど、追いかけてきて良かった。」 

「うん、本当に感謝してる。ありがとう。」

そう言ってキスをした。
大吾の舌が入ってきてトロトロになってきた頃大吾の携帯が鳴った。
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