愛というもの～哀しみの中で～

「迎えに来るって言ってた。昌くんも？」

「うん、面倒くさがっていたけどね。きっと大吾くんは快く来るんだろうなぁ。はぁ、このまま同棲しちゃって大丈夫かな？」

なんて冗談っぽく言っていた。
だってあんなに楽しそうに新居のことを話していたのに憂鬱なはずがない。
それから１０分も経たないうちに二人は迎えに来てくれた。

それから由実ちゃんは昌くんと相変わらず言い合いをしているみたいだったけど、帰るときには腰に手を回されてぴったりくっついて帰って行った。
由実ちゃんもすごく愛されてると思う。だってなんだかんだと浮気したという話も出ずに３年続いてるんだもん。
昌くんなりに本気で由実ちゃんのこと考えてくれてるって思う。

「茉莉、今日は何食べたの？」

って大吾はいつもの優しそうな笑顔で私に聞いてくる。

「今日は大吾もいなかったし、うどんにした。残すのはもったいないし、ミルクレープも食べたかったから。」

「ハハッ、ミルクレープ好きだな。そういえば、この前先輩からミルクレープが美味しいって店を聞いたんだ。先輩の彼女が大絶賛してたらしいぞ。今度一緒に行こう。」

「へぇ～うれしい。楽しみ。あっ、そうだ、大吾って先輩たちに私の話をしてるの？由実ちゃんがこの前先輩に会ったときに大吾がのろけてるって言っていたって言ってたよ。」