愛というもの~哀しみの中で~
同棲を始めて1年経ったころ私の体に異変があった。
元々生理不順で生理のない月もあったりだったから気にしていなかったけど、気づけば3か月程生理がなかった…
そして徐々に食欲が落ちていった。
初めは梅雨に入って蒸し暑さで食欲がないと思っていたけど最近では吐き気を伴うようになっていた。

夜は大吾と昌くんが学校で、由実ちゃんと時間が合えばどちらかの家で夕食を食べており、私の異変に真っ先に気づいたのは由実ちゃんだった。

「茉莉ちゃんって最後の生理っていつ?」

「えっ?いつだろう…?」

「手帳とかにつけてないの?」

「…うん。でもお花見の頃だったと思う。3月終わりかな?」

確かイベントに限って生理が…って思ったのを覚えているからきっとそうだ!

「今6月終わりだよ?吐き気もあるしもしかして…」

「ん?私って何か病気?」

由実ちゃんが真剣な顔して言うから背筋に寒気が走った…

「違うよ!赤ちゃんだよっ!」

…っえ?赤ちゃん…
思わずお腹に手を当てた。

「付けないでしたりする?」

「最近よく…っえ?でも…どうしよう…」

赤ちゃん…その言葉が頭の中をぐるぐると回っていた。

「大吾くんとそんな話しないの?結婚とか、赤ちゃん欲しいとか?」

「結婚というか、ずっとおばあちゃんになっても一緒にって話は良くするけど…今すぐ結婚とかって考えてるのかな?」
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