愛というもの~哀しみの中で~
「もう、大事をとって入院しようか?赤ちゃんもそのほうが楽だよ。」

私はびっくりして戸惑っていると、横にいた由実ちゃんが

「茉莉ちゃんそうしよう!赤ちゃんのためにも。私に入院準備とか任せて。」

って張り切ってお世話してくれる気満々で言ってくれた。

「ありがとう。本当に何から何まで由実ちゃんにしてもらって、助かります。」

自分の無力さと、頼る親がいない私にこんな素敵な友達がいてくれることのありがたさを心から実感した。

それからは大きな病院に紹介され、少し離れた病院に入院する事になった。
手続きや、必要な物を揃えてくれたりと由実ちゃんは全てをしてくれた。
私は職場への連絡と大吾へ入院になったことのメールを送っただけだった。
入院中は働いた後に学校の大吾は面会時間に来ることが出来ず、女性だけの婦人科病棟は男性の面会時間に厳しかったため会えない日が続いた。

仕事が休みの日は面会時間いっぱいいっぱい付き添ってくれて私のお世話をしてくれた。
私はひと月半ほど入院しており、8月いっぱい病院で過ごして9月から自宅安静になった。

いつも診察に来る先生はにこやかで緊迫感はなかったが実はあまり良い状態ではなかったらしく大吾には深刻な話までしていたらしい。
私は退院してからそのことを聞かされた。入院中はストレスを感じないようにって私に話さないでいたらしい。
退院したから今度は無理しないようにって意味で大吾はうち明けてくれた。
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