愛というもの~哀しみの中で~
「入院中は何回も見られたから満足してたけど写真があったなんて。少しずつ大きくなっていってるの。見るたびすごい元気に動いてたんだよ。」

昌くんも寄ってきてエコー写真にくぎ付けになっていた。
きっとこの二人は子供のことすごく大事に育てていくんだろうな。
家族ってすごい!こうやって増えていくし、気付けばこんなに大きな愛が生まれてるんだ。

「茉莉ちゃん、うちの子も。」

そう言って由実ちゃんが鞄からエコー写真を取り出して見せてくれた。

「心臓がぴくぴくしてるのわかったよ。茉莉ちゃんの言った通りだった。本当にかわいいわよね。」

由実ちゃんは妊婦さんだけどまだつわりらしいつわりもないからってその日のお昼ごはんも夕ご飯も作ってくれて、夕ご飯後に二人は帰って行った。
昌くんは口では冷たいことを言っているけどすごく由実ちゃんの体を心配してついて回ってお手伝いをしていた。
初めはどうなるかと思った二人だったけど今でも仲良しでお互いの親にも挨拶にいったらしく正式に籍を入れる予定らしい。
こっそりと由実ちゃんがおしえてくれたけど、昌くんはちゃんと指輪を用意して以前一緒に働いていたコンビニの前のバス停のベンチでプロポーズしてくれたらしい。
そこが二人の始まりの場所だからって。昌くんは照れ屋なのでこれは大吾にも秘密らしい。
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