愛というもの~哀しみの中で~
私は大吾と由実ちゃんにメールで入院になったことを報告していた。
まだお昼だったし二人とも仕事中だったから。
でもすぐに由実ちゃんから電話があり、早退して来てくれることになった。
それからすぐに由実ちゃんのお母さんが病室に来てくれた。

「茉莉ちゃん、大変だったわね。でもいよいよね、赤ちゃんに会えるなんて楽しみ。」

お母さんがいたらこんな感じなのかなって思って少し涙が出た。

「あらあら、今から泣いてたらたいへんよ~。とにかく食べれる物食べて体力つけなきゃ。」

「ありがとうございます。スーパーの店員さんにも良くしてもらって本当に幸せです。」

泣きながら言っていたら由実ちゃんのお母さんはベッドに座って私を抱きしめてくれた。

「じゃあ、産まれたら赤ちゃん連れてお礼に行かないとね。赤ちゃん連れてると気づくけど、冷たい人も沢山いるけど親切にしてくれる人も沢山いるのよ。だから感謝の気持ちは忘れずに甘えてもいいんじゃないかしら?」

きっと妊娠がわかってからずっとどこか不安を感じてて疲れた心がお母さんの暖かい体温で癒されていく感じだった。
そのまま私は由実ちゃんのお母さんに抱きしめられたまま眠っていたみたいで目が覚めると由実ちゃんとお母さんはベッドの横にあるソファーで談笑していた。
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