愛というもの~哀しみの中で~
年越しをして、1月、2月、3月と必死にお世話をしているとあっという間に過ぎていった。
由実ちゃんは産休に入ると毎日のように昼間はうちにいた。
これ以上大きくなると破裂するんじゃっていうくら由実ちゃんのお腹は膨らんでいって、恭吾もみるみる大きくなり首もすわって笑顔も見られるようになった。
そうなると本当にかわいくて、笑顔が見たくて大吾と二人でいつもあやして笑わせていた。
泣くときは激しく全力で声を上げて泣いたり、おしゃべりは可愛い声で「あ~、あ~」って言っていた。
赤ちゃんって本当に不思議でご飯を食べるのも忘れるくらい見つめていられる。

3月末、もうすぐ4月になるころ由実ちゃんは焦っていた。
本気で恭吾と同級生にしたいみたいで、毎日うちのマンションの6階まで階段で上がってきたり、自分のマンションも4階まで階段を上っているらしい。
それと昼間には私と一緒に恭吾を連れてお散歩にも1時間ほど行っていた。
あれだけお腹が大きいから重たいだろうに…。

「陣痛はこわいけど早く産みたいよぉ~、ママに早くお顔をみせてねぇ。」

っていつも言っていた。
私は恭吾が2300グラムと小さめの赤ちゃんだったからすんなり産まれてくれたけど、由実ちゃんの赤ちゃんは3200グラムくらいあるだろうって言われているみたいだった。
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