愛というもの~哀しみの中で~
座敷には仲良くしてもらっていた先輩が3人と社長が残っていた。
お義兄さんはその方たちに挨拶をして回っていた。
社長は畳に頭をこすりつけるように土下座をしお義兄さんにも謝っていた。
私は心が麻痺しておりテレビでも見ているかのように呆然と見つめていた。

「茉莉ちゃん、さっきのおばさんのこと気にするなよ。何も知らなかったんだ。特におばさんは大吾を可愛がってたし…。落ち着いたらわかってくれるよ。」

「うん。昌くん、本当にありがとう。由実ちゃんもお腹が大きいのに。」

私は泣きすぎて嗄れた声をなんとか絞り出してお礼を言った。
社長としばらく話していたお義兄さんがこちらへきた。

「本当に大変な1日だったね。眠れるなら少し眠った方がいい。」

自分も疲れた顔をしているのに私を気遣ってくれている。
きっと優しい人なんだろう。だって大吾のお兄さんだもんね。

「はい。ありがとうございます。」

かすれた声で返事をすると少し驚いてこちらを見る。
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