愛というもの~哀しみの中で~
「やっと返事してくれた。いきなり現れてすまない。結婚していたことさえ知らずに驚いただけなんだ。俺も両親も茉莉さん、君を疎ましく思ったりしているわけではないんだ。」

「はい。」

「この子は恭吾って言ってたね。甥までいたなんてな。顔を見せてくれないかな?」

恭吾の背中をさすりながら優しく話しかける。
恭吾は一瞬全身に力が入ったけどゆっくりとお義兄さんの方へ振り向いた。

「どちらかというと茉莉さんに似てるのか?顔の形は大吾の小さい頃に似てる気もするけど…おいで、おじさんが抱っこしてやろう。」

「お名前、おじさん?パパみたい。」

大吾に似たこの人に対して警戒心が薄れたのか言われるがままに伸ばされた腕に飛び込んで行った。

「おじさんはお前のパパのお兄さんだ。パパみたいだろう?おじさんは恭吾のパパのことをあまり知らないんだ。パパのこと教えてくれないか?」

そう恭吾に言うと恭吾はパパの話をし始めた。
大好きなパパ、かっこいいパパ、ちょっと怖いパパ。
それを聞き、また涙が止まらなくなった。
涙って枯れることないのだろうか?流れても流れてもまだ溢れてくる。
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