愛というもの~哀しみの中で~
「茉莉ちゃん、真さんにさっき持ってきたアルバム見せていいかな?大吾の幸せそうな顔見せたいんだ。」

遺影の写真を選ぶために由実ちゃんが家から持ってきてくれていたのだ。
私は頷くことしかできなかった。
もうあの笑顔は写真でしか見られないと思うと心が痛くて痛くてたまらなかった。

「へぇ~、あいつしっかりパパしてたんだな。高校生までしか知らなかったから大人になったな。」

アルバムを見ていたお義兄さんは今まで坦々としていたように見えたのに目からは次々と涙が流れていた。
私は堪らなくなりトイレへ駆け込んだ。
吐くものなんてないのに嗚咽が止まらなかった。

「茉莉ちゃん大丈夫?」

心配して昌くんがトイレまで追いかけて来てくれていた。
私は慌ててティッシュで顔を拭きトイレから出る。
昌くんも憔悴しきった様子なのに私のことを心配してくれている。大吾の家族への連絡や葬儀社とのやりとりまで本当に頼りっぱなしだった。
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