愛というもの~哀しみの中で~
夜は由実ちゃんと由彰くんが一緒にベッドに寝て、昌くんはソファで寝た。
きっと昌くんも限界なほど疲れていただろうに…。

私は疲れていたのかいつの間にか眠っており、夜中に目が覚めた。
お水を飲むためにリビングに行こうとすると電気がついており、昌くんが由実ちゃんに抱き着いて泣いていた。
私以上に長い年月一緒に過ごしていた昌くんにとっても大吾がいないことは言い表しようのない哀しみだろう。
なのに私のそばについて本当に立派にいろんなことをしてくれた。

私はベッドに戻ると声を殺して泣いた。
枕からは大吾の匂いがした。

翌日の朝、真さんから電話があった。
朝食を済ませてからうちにくるといっていた。
そういえば、何もなくてお茶くらいしかなかった。由実ちゃんに相談するとこんな時にそんなこと心配しなくていいって言われた。
昌くんは一旦家に帰り、会社へ行った。社長から呼び出されたらしい。
いつまでも休んでいられないし、寝不足でふらふらの昌くんの体が心配だった。
大吾だって寝不足じゃなかったら…。いろいろと後悔することばかりだった。

10時過ぎに義両親と真さんがうちに来た。
それと入れ替わるように由実ちゃんが帰っていった。
またみんなが帰ったらうちに来てくれると言っていたけど由実ちゃんも無理していい体ではないのに。
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