愛というもの~哀しみの中で~
そもそもそれは私が決めることなのだろうか?

「私…、私にはどうしたらいいのかわかりません。」

「そうだよね。あとは茉莉さんの気持ちかな。現実的にお金もかかってくることだしね。将来的にもし望むなら茉莉さんも芹沢の家族だから入ることも出来るよ。ただ、君はまだ若いから。そこに縛られては欲しくない。」

そうお義父さんは言うけど…若いから…若いからなに?

『もしも俺が事故とかで先に死んでしまったら子供のこと頼むな。そしてその時は俺のことたまには思い出して、別の誰かと幸せになってほしい。』

何で?そんなの嫌よ。
何でそんな事言うの?大吾意外と幸せになんか…
私はまた涙が溢れてきた。

「私、大吾だけなんです。大吾と約束して、恭吾は私がきちんと育てます。でも、大吾意外の人とって言わないで…」

私は膝の上に乗って寝ている恭吾を力いっぱい抱きしめた。

「大丈夫だよ。茉莉さんから大吾を奪ったりしないよ。茉莉さんの納得いくようにしていいんだ。」

真さんは私の隣に来て宥めるように背中を撫でた。

「初めて茉莉さんに会った時、私取り乱してたとはいえあんな事言ってしまってごめんなさいね。こんなに大吾を大事に思ってくれて…本当にありがとう。」

お義母さんもハンカチで目元を押さえて泣いていた。
こんなにみんなから愛されてるのに…私が代わりに死ねば良かった…
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