愛というもの~哀しみの中で~
私は恐る恐る芹沢さんの方に向き直った。
芹沢さんは真剣に真っ直ぐ私を見つめていた。
その目で見つめられ、ドキドキが止まらず、口から心臓が飛び出そうだった。
正体不明の感情がなんなのかもう私自身気づいていた。

「あ、あの、キス…キスなら大丈夫です…たぶん…」

言ってて恥ずかしくて俯いた。
マグカップをキッチン台に置く音が聞こえ、次に私の手からマグカップを取られそれもキッチン台に置かれた。
そして芹沢さんから顎を持ち上げられるように上を向かされた。

「何でそんな事いうの?またヤケクソ?」

私は首をふる。

「俺の気持ち知ってて言ってる?俺の都合のいいように解釈するけど?」

緊張しすぎて少し震える。ドキドキが更に速くなる。
私は芹沢さんの目を見つめて軽く頷いた。
その途端芹沢さんの顔は目の前にあった。少しアルコールの臭いがするキスだった。
私は動けず固まっていると口を離すどころか私の唇を割って舌が入ってきた。
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