愛というもの~哀しみの中で~
わたしの心の中…。

『忘れてほしくないけどもし俺が死んでしまったらそれでも茉莉には幸せでいてほしいんだ。そのくらい愛してる。』

私も愛してる。大吾だけを。私の中にはずっといてほしい。別の誰かじゃなくて大吾がいい。

それからしばらく由実ちゃんに抱きしめられて泣いていると、玄関が開いて恭吾の泣き声が聞こえた。

「ママ~、ママ~」

私は驚いて立ち上がると、真さんが恭吾を抱っこしてリビングに入ってきた。

「茉莉さん、申し訳ない。恭吾がこけてしまって…。」

見るとズボンの膝の所が少し破れてて、血がにじんでいた。
私は恭吾の所にいくと、私に飛びついてきた。

「痛かったね。膝だけだった?ほかにも痛いところはない?」

「いたい。てもいたい。ママもいたい?」

見てみると手のひらも少しすりむいていた。

「ママは痛くないよ。じゃあ痛い所きれいに洗おう。お薬つけて痛いの痛いのとんでけ~しようか。」

そう言って私は恭吾と洗面所へいった。
後ろからは少しうろたえた真さんがついてきていて「ごめんな。」って何度も恭吾に謝っていた。

ズボンを脱がして手と膝の傷をハンドソープで洗った。少し泣いていたけどきれいに拭くともうケロっとしていた。
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