愛というもの~哀しみの中で~
「マジでくずのあいつがまさかあんな風になるなんてな。周りもかなり驚いてた。この世に茉莉ちゃん意外女はいないって言うくらい茉莉ちゃんしか見てなかったもんな。あの時は若かったな。」

「へぇ、大吾の泣いた話よく聞くな。そんなに変わったんだな。」

「あいつ人が変わったように茉莉ちゃんの事では泣きますよ。茉莉ちゃんにだけは必死だったんすよ。」

私はその言葉を聞いてまたその場で泣き崩れた。
もう声もかすれて出ないのに、どこから涙は出てくるのだろう?
泣いてる間、昌くんは優しく背中を撫でてくれ私の隣で声を殺して泣いていた。
どうしてこんなに哀しんでいるのに大吾はいないんだろう?

開けっ放しにされたドアの外から恭吾の泣き声がした。「ママ」って呼んでいるのが聞こえ私は恭吾の所へ行こうとするけど立ちくらみで目の前が真っ暗になり倒れかけた。
それを真さんが支えてくれる。
それから私の肩を支えたまま階段を降りて恭吾の所へ連れて行ってくれた。

「ママぁ~!ママぁ~!」

恭吾は私を見ると走って来て足にしがみついてきた。

「ごめんね、寂しかった?」

「ママいないと思った。おるすばんイヤ!」

「そっか、ごめんね、パパのお部屋に行ってたの。」

「パパいた?」

恭吾はパパがどこかへ行ってしまってると思っているようで、その言葉にたまらなくてまた涙が出た。
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