愛というもの~哀しみの中で~
頑なに拒否をする私に根負けしてその日のうちに真さんは荷物をまとめて自分の家へ帰って行った。
これで良かったんだ。
もうこれ以上誰とも深く関わりたくなかった。

翌朝目が覚めた恭吾は真さんがいないことに気が付き大泣きをした。
あまりにも手に負えずお着替えも、ご飯食べさせるのもやっとだった…

「恭吾、聞いて、まこちゃんにはまた会えるから。これからはママと2人でこのおうちで暮らすんだよ。」

「いやっ!まこちゃんいっしょがいい。」

このやりとりを何度もした。
自分がすごくイライラしているのがわかる。
でも恭吾の反発は落ち着くどころかヒートアップしてとうとう私は怒鳴ってしまった…。

「ワガママいわないの!あの人はパパじゃないでしょ!」

私は今まで恭吾を怒鳴ったことなんてなかったからすごく驚いた目をしたあとにまた私にしがみついて大泣きをした。
そんな恭吾を見て何て事をしてしまったんだと自己嫌悪に陥って私も一緒に泣いた。

「ごめん、恭吾、怒ってごめん。こんなママでごめん。ごめんね。本当にごめんね。」

謝っても許されることではないのに…恭吾の心を傷つけてしまった…。
その日から恭吾は私から離れると泣くようになった。
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