愛というもの~哀しみの中で~
食べ終わると、次は遊具のある場所へ移動した。
普通の公園の3倍はありそうな遊具は象や、キリン、カバなどなど、沢山の動物が連なっているような形だった。
恭吾にはまだ難しい遊具もあったけど、真さんは恭吾を抱き上げていろいろと遊ばせてくれていた。
こんなにわらってる恭吾は久しぶりに見た。
そして、私も知らず知らずに笑っていてそれに気づくと胸が痛かった。罪悪感にも似た感覚がわいてきて慌てて笑うのをやめた。

15時過ぎまで思いっきり遊ぶと電池切れのように途端に恭吾の元気がなくなり、ぐずり始めた。
お昼寝もしてないから疲れて眠くなったようだった。

「恭吾も疲れたみたいだからそろそろ帰ろうか。」

真さんはそう言って荷物を片付けると恭吾を抱き上げ、また私の手を掴んで駐車場に向かった。
もう帰るのかと思うと淋しくなった。
あんなに来るのが嫌だったのに…つい、私も真さんの手を掴み返していた。

帰りの車の中で恭吾はぐっすり眠っていた。

「この時間に眠ったら夜寝ないんだろうなぁ」

私は恭吾の寝顔を見ながらぼやいた。

「ハハッ、恭吾は寝ると元気になるからな。夜は風呂で遊ばせよう。布団でうたをうたってたらきっと寝るよ。」

あたかも自分が寝かしつけるような口ぶりで真さんが言う。
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