愛というもの~哀しみの中で~
家に着くと、パーキングに停めて荷物を持ち恭吾を抱っこしてうちへ歩き出した。
何で荷物を下ろすのだろう?と少し疑問に思ったけど深く考えずに家に帰る。

リビングの床にお昼寝マットを敷いて恭吾を寝かせると、真さんはソファーに座り大きく息を吐いた。

「さすがにパワフルな恭吾に付き合うのは疲れた。俺も少し横になっていい?」

そう言って私の返事も聞かずに上着を脱ぐと恭吾の横に寝転んだ。
今にも寝そうな感じだったから寝室から枕と毛布を持ってきた。
しばらく私は二人の寝顔を見ていた。
不意に自分が穏やかな気持ちになっていることに罪悪感が込み上げてきた。

私は迷ったけど、夕方だったし真さんの分の夕飯も用意をした。
さすがに18時を過ぎた頃二人を起こすと、3人でご飯を食べた。
さっきの予感は的中して、真さんは一泊分の着替えを持ってきており恭吾をお風呂に入れてくれ、夜寝る時は寝かしつけまでしてくれやっぱりそのままベッドで寝ていた。
私も迷うことなく同じベッドで寝た。
今までもそうしていたから…すっかりお付き合いしている彼女のことは頭になかった。

翌日も結局夕飯まで食べ、ようやく真さんは帰って行った。
帰り際にまた遊びにくると約束をしていて、恭吾は思いのほかぐずらなかった。
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