愛というもの~哀しみの中で~
「真さんも悪いっすよ。さすが大吾の兄ちゃん。」

昌くんはどこか楽しそうに言っていた。

「大下さんは結婚するつもりだったと思います。だって、自分には子供ができないから喜んで真さんと恭吾を育てるって言っていたもの。」

私は怒って真さんに言う。

「そんなことを…俺との話し合いではそんなこと一言も…。理解のある口ぶりだったし、もともと仕事仲間の延長のような感じだったし。本当に申し訳ない…」

真さんは腑に落ちない顔をしていた。

「ちゃんと話し合ったんですか?」

「そのつもりだよ。引っ越しの話も。反対されなかったし…。」

どういうことなのか私には理解できなかった。私の家に来るほどだから彼女はいい気分ではないのはわかる。
納得はいなかなかったけど、どうすればいいのかもわからなかった。
もう契約も済ませているなんて…。

その日は夕方に由実ちゃんたちは帰って行った。
そして、真さんは恭吾が離さないからって泊まることになった。
私としては納得できていないし、大下さんのことも心配だった。
男の人って鈍感なのかな?きっと大下さんは真剣に真さんのこと好きなんだろうに…。

夜、珍しく恭吾の寝かしつけをした後に真さんは寝室から出てきた。
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