愛というもの~哀しみの中で~
「恭吾、ぐっすり眠ってるよ。可愛いな。」

「いつもありがとうございます。」

「ねぇ、茉莉さんと少し話したいんだけどいい?」

改めて言われると身構えてしまう。何を言われるのだろう?

「はい…。」

「透子さんのことなんだけどね、ちょっと彼女のプライバシーに関わることだからここだけの話にしておいて欲しいんだけど…」

「えっ?それを私に話していいんですか?」

「う~ん、迷ったんだけどね、茉莉さんに納得してもらうためには必要かなって思って。うちの両親も誰も知らないことだからここだけの話ということで。」

私は聞いていいのか迷った…。だって誰も知らないことを真さんが勝手に私に話してしまっていいのだろうか?

「彼女、男性恐怖症なんだ。だから今までもきちんと男性とお付き合いしたことないらしい。仕事で関わってて基本、対女性としか仕事しないらしいんだけどたまたま一緒に仕事の話をしなくてはならなくて。でも彼女は不思議と俺とは怖くなかったらしいんだ。」

男性恐怖症…。

「それから食事に行くようになってね。たまたま食事に行くときに両親に会ってね。紹介しただけで母さんが勝手に勘違いしてるだけなんだ。」

「でも、大下さんも付き合ってるって言ってました…。」

「まぁ、男女だから、それなりに親しくなったし、お酒が入ってそういう雰囲気になったことがあるんだ。でも彼女はやっぱり男の俺に触れられるのに恐怖心が出てきて何もなかったんだけど。」

私も大吾に初めて抱き着いた時に震えて動けなくなったことがある。きっとそんな感じなのかな?

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