愛というもの～哀しみの中で～
その日はタクシーで恭吾をお迎えに行き、３人でスーパーに寄り買い物をして帰った。
私はただ真さんに連れられていただけで、お迎えの時も先生と話をしたのも、何を買うか決めたのも真さんだった。
私はもう気力を使い果たして抜け殻のようになっていた。

結局私ひとりでは何もできなくて、夕飯を作って恭吾に食べさせて、お風呂に入れ、寝かしつけまで全て真さんがしてくれた。
私はご飯も食べられず、なんとか恭吾の着替えなどを手伝った程度だった。

「茉莉さん、お願いだから何か食べよう。今日は朝から何も食べてないだろう？」

私は首を横に振るだけでご飯を食べようとしなかった。
真さんは冷蔵庫から栄養ゼリーを持ってきて、蓋を開けると吸い口を私の口の中に突っ込むと、押し出した。
私は驚いて慌てて真さんの手を払った。なんとか口の中のゼリーを飲み込むと真さんを睨んだ。

「ハハハッ、このくらい強引にしないと強情な茉莉さんは食べてはくれないと思ってね。嫌だったら自分でゼリーくらい食べないと。恭吾を育てていくんだろう？ここで倒れたらそれこそ茉莉さんに任せられないってなるよ。」

そう言われて、ゼリーを目の前に持ってこられるから私はそれを受け取って飲み始めた。
今まで胃の中が空っぽだったから喉から入って胃にゼリーが到達するまでの感覚が分かった。
胃に入ると吐き気がして吐くんじゃと思ったけど意外と吐かなかった。
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